大学1、2年 人生を成功に導く「就活戦略」
管理人のLukeです。
就活戦略、、、聞きなれない言葉ですね。
はい、私が勝手に言っているだけです。
私はメガバンクでリクルーター6年、そして人事の採用担当として4年、計10年を自分の会社の採用に関わり、その後他社さんの採用のお手伝いをする仕事を2年ほどしていました。
採用に関わる人事の人も数百名お会いしましたし、学生さんも数千名お会いしたかと思います。
多くの人と会う中で、1つの確信を持ちました。
それは、
「就活は大学3年生になる瞬間にほぼ結果が決まっている」
ということです。
大学3年生になると別に書きましたが「就活戦術」、つまり、就活というゲームをどう攻略するか、ということが中心になります。就活開始までの期間が短いため、工夫の余地が限られます。
大学1、2年生のうちから、楽しみながら当たり前のように「未来の自分探し」を行うこと。これが非常に重要です。新しい出会いや刺激が沢山あります。知らないことを沢山知れてワクワクします。「就活」はもはや必要ありません。
就活という枠を取り払い、未来探しに熱中する大学生活を始めてみましょう。
「就活戦略」の目指す世界
皆さんは奈良県にある西大寺学園をご存知でしょうか?
近年急速に東大の合格者数を伸ばしている、今注目の高校の一つです。
特徴的なのは、その人材育成ポリシーにあります。
卒業した先輩を学校に呼んできて、学生に対して先輩から夢や将来やりたいこと、具体的な学生生活等、将来の具体的なイメージを語ってもらう、ということに力を入れています。
生徒は先輩の姿に自分の将来を重ね、より勉強を頑張るモチベーションとするのです。
簡単に言えば、ロールモデルを探すことです。
小さい時、野球をしている少年が、「大谷になりたい」「マー君になりたい」というのは極めて自然なことですよね。
プロの選手はどのようにバットを振っているのか、肘の位置は、ステップの取り方は、朝ごはん何食べてる?とか、いろんなことを知り、真似をしたくなります。
自分の目指すべき姿が見えていた方が、人は努力をすることが楽しく、また楽にできます。
西大寺学園では、この「ロールモデル」を作ることで生徒のモチベーションを上げ勉強に集中する環境を作り、成果を上げていました。
また、過去に映画監督の紀里谷さんが「意識高いと揶揄される日本の大学は異常だ」というお話をされてましたが、まさにおっしゃる通りだと思います。
自分の将来を考え、情報をインプットし試行錯誤を続けること。大学の勉強も同じですよね。将来のために行うものです。
この記事は「意識高い人」を「普通の人」にし、大学生の常識を変えたいと思い書き連ねています。
少しでも、就活ゲームで悩む人をなくし、より多くの学生さんが学生時代に成長を遂げ社会に希望を持って出ていくための一助になれば幸いです。
就活戦略が重要な理由
優秀な学生ほどに就活をしていない事実
私がこの「就活戦略」について考え始めたきっかけは、銀行の採用をやっている時に「なかなか欲しい求めるレベルの学生が採用できない」と考えていた時でした。数万人も応募をしてくれるのに、その中からたった1,000名を採用しきれない。そんなギャップに悩んでいた時です。
そして、それはグループ会社や他の金融、メーカーの採用担当と話をしても同じで、みんなが同じ悩みを抱えている。
株式会社ディスコが発表している企業の人事向けアンケートで「内定者の質に満足しているか」という質問に対し、「満足している」と答えられる企業は全体の3割にも満たない、というのが現実です。
過去からずっと同じことが続いている、自分たちだけでなく、みんなが同じ悩みを持ち続けている。これは、根本的なことが間違っている、と考えていた時です。
その時に出会ったのが、キャリア大学を創設した松本勝氏です。
「大学1年生だけの学びの場を創る」という、松本さんのコンセプトに頭をガンと殴られた気がしました。
シンプルに考えると、企業の採用担当の人間は、毎年一定の時期が来ると学生が勝手に就活を始めその中から優先順位をつけて内定を出すだけ。つまり、自分たちから学生に何もgiveをしていないのに、欲しい人を採用したいというtakeだけを取ろうとしていたのです。
それはうまくいくわけないですよね。
世の中はgive & takeで成り立っていることくらい、小学生でも感覚的に知っているわけです。それを、企業の人事はいびつな今の就職活動のルールにあぐらをかいて、giveする、つまり自分たちから学生を育てる、ということを怠ってきたのです。
まさに、今企業の人事たちがやらなければならないことは、「自分たちから学生を育てる事」であると痛感しました。
自分たちが学生を育て、採用したいくらいの優秀な学生が世の中に溢れるようになるくらい、全体を底上げしていくことができれば企業側も学生側もとてもハッピーになれると。
そして、毎年何百、何千という学生さんとの面接を通じて、あることに気付いたのです。
「大学3年を迎える時に何かを頑張りだしても、面接の合否は変わらない」
「優秀な学生ほどいわゆる『就活ゲーム』をしていない」ということです。
就活で必要とされる自己分析から企業分析、面接対策、ES対策、グループディスカッション対策など、ほとんどやらないんです。
あえて言えばSPIや玉手箱の勉強を少しするくらいでしかありません。
普段の生活から、「自分は何者であるか」「何が自分の特徴なのか」をよく理解し、自分の可能性を広げるチャレンジに没頭することで、新しい出会い、議論を経験すると、結局就活で必要となるようなスキルは知らぬ間に身についているものなのです。
そしてそれは特別なものではなく、社会人になればある程度誰もが取り組んでいることで、全く特別なことでないのです。
これこそが、「就活戦略」です。
みなさんの普段の生活を少しずつ社会人の生活に近づけること、そしてそれを、大学1、2年生の頃から意識していくことで、将来が大きく変わっていきます。
ここに書かれていることは、何一つ特別なことはありませんので、安心してください。少しずつ、日々の生活に取り入れ実践できるように頑張ってみてください。
非常にシンプルな「就活戦略」でやるべきたった一つのこと
突然ですが、一つ質問があります。
あなたが目指すべき大人は誰ですか?
パッと思いついた人は、いいロールモデルがいる人です。
誰の名前も浮かんでこなかった人は、ロールモデル不在です。
「自分は独自路線を行くので、ロールモデルはいらない」というのであれば
それはそれでいいです。
はい、お分かりですね。
この「ロールモデルを探すこと」が一番の就活戦略です。
一人でなくても構いません。3人でも4人でも。
最初は「かっこいい社会人」を探しましょう。
・パリッとスーツを着こなしている
・世界を股にかけ、英語を駆使しながら戦っている
・家庭と仕事を高いレベルで両立している
・とにかく仕事が楽しそう
何でもいいです。
そして、大手企業でもそうでなくとも、どんな企業でもいいのです。
私も色々な会社の方と接してきてわかったことは、社会人になると「どんなことしても生きていける」というある意味割り切りができるようになるため、大手とか中堅とかあまり関係なく
「やりたい仕事をやりたい」
「好きな人と働きたい」
と、自分から最適な働く環境を求めていく人がたくさんいます。
学生ほど、社会人は大手志向ではありませんw
是非、最初から視野を狭めずに様々な分野の人と出会い、
「この人のこういうところは尊敬できるな」
「この人は自分とは違うな、心に響かない」
など、いろんな感想を持ちましょう。
私が大学時代にロールモデルにした人は以下のとおりです。様々なところで、自分にないものを持っている、素晴らしい先輩、友人の出会いがあり、私の目標となってくれました。
・サークルの先輩(現在はベンチャーの役員)
仕事に対するこだわりの強さとストイックさ
・バイト(ファミレスのキッチン)の先輩(現在は石巻で料理人)
「今」を楽しむ、生きることの大切さを教えてくれた人
・留学先で知り合った同級生の子(現在は徳島でフリーランス)
自分で人生を切り開く突破力
私自身は大企業からキャリアをスタートしましたが、上に記載したロールモデルは現在全然違うところで活躍してますよね。そう考えると私が大企業を飛び出てスタートアップベンチャーに入り、現在外資系で働いているのも普通なことなんだと思います。
いろんな人から「よく銀行を出たね」と言われますが、自分にとっては全く持って特別なことではありませんでした。
それは、昔からそのような感覚を持ち、会社に依存しないマインドを持っていたからかなと思います。
これは、社会人になってからも同じです。
今、私は「この人のようにいきたい」と思う、尊敬できる人がいます。
やはり、どちらもベンチャー関係の人ですね。
逆に、会社の中に「この人のようになりたい」と思える人のいない大企業だと苦しくなります。自分の未来が見えなくなるからです。
つまり、自分のロールモデル、尊敬する人と触れていることというのは、普段は意識しなくても実践していることなんです。
意識しながら行うのと、意識しないでやっているのでは大きな違いがあります。部活で練習をするときも「とりあえず練習をこなしている」だけの人と「一つ一つの練習の意味、目的を理解して練習している」人では成長度合いが大きく変わってきますよね。それと一緒です。
「就活戦略」は決して特別なことではありません。
1 普段の自分の生活を少し立ち止まって考えてみること
2 普段自分の周りにいる人のことを考える時間を取ること
3 半歩だけでいいので、勇気を振り絞っていろんな人に会うこと
この3つをやるだけで十分成果は現れます。
憧れで終わらせない
よく誤解されがちなのですが、憧れとロールモデルは少し違います。何が違うかというと、フィージビリティの問題です。
夢と目標は違う、というのと同じですね。
夢は夢のまま、叶わないものです。
目標は達成すべきものですね。それに向かって努力をし、いかにその目標を超えるかを一生懸命考えます。
憧れは遠い存在です。距離が遠いので、いまいち現実味がありません。
ロールモデルは「超えるべき人」です。「〇〇さんのようになりたい」と考え、今の自分との距離を測り、超えるためには何をすればいいかを考えて実行する。より具体的なアクションにつながる「目標とすべき人」のことを言います。
アクションにつながらなけば、いくら目標を持っても仕方ありません。
「ロールモデルを持つこと」はすなわち「ロールモデルを目指して行動すること」とセットで初めて効果が出るのです。
就活戦略の実践
就活戦略を実践するには
実は、大学が社会人と関わる機会というのは非常に限られています。特に、企業の大切な仕事ほど、情報漏えいのリスクが大きいので、アルバイトに仕事をは任せられません。企業の内部に深く迫るには幾つかのパターンしかないと思ってください。
また、社会人に会うなんて精神的なハードルも高いですよね。会って何話したらいいんだろう、とか。最初の一歩を踏み出すまでが大変です。
そこで、その一歩を踏み出すことを簡単してくれるいくつの方法を記載します。
キャリア大学
キャリア教育の中では一番の老舗で、Panasonicなどの日本を代表する企業や外務省、財務省といった省庁関係、マイクロソフトなどの超グルーバル企業が学生の皆さんのために授業をしてくれます。
夏休みに1日、オフィスで講義をしてくれたり、秋には企業の人が多く集まる交流会があり、ホテルの宴会場で社会人と色々な話をすることができます。
「ロールモデルを探す」というわけにはいきませんが、まずそのステップとして「社会人と触れることに慣れる」場だと思ってください。
大学1、2年生限定、3年生になると参加できません。今の機会に是非活用してみてください。
(キャリア大学HP)
VISITS OB
一般的にOBOG訪問のためのもの、つまり就活生のもの、と見られがちなのですが、実は大学1、2年生でも登録することが可能です。
社会人が自分のプロフィールをしっかり書いてくれているので、プロフィールを見ながら「この人に会ってみたい!」と思った人を選ぶことができますし、事前に質問を考えることもできますね。「何を話したらいいかわからない」という一番大きな課題を解決することができます。
(VISITS OB HP)
マイフューチャーキャンパス
キャリア大学と同じ時期に始まった、マイナビの運営するキャリア教育の取り組みです。さすがマイナビ、企画のバリエーションは多岐にわたっており、中でもキャリアインカレ、というビジコンはニコ動で放映されたりと人気の様です。企業が単発で、あまり時期を問わずに1Dayインターンの様なものを提供してくれます。キャリア大学は夏の風物詩的なものになってますが、マイフューチャーキャンパスはいつでもやっているので、キャリア大学に乗り遅れた人にはいいかもしれません。
(マイフューチャーキャンパス HP)
ベンチャーの長期インターン
一番深く社会人との距離を詰められるのがこのベンチャーのインターンです。大手企業はインターンを「採用で自分たちを知ってもらうため」に実施しますが、ベンチャーの場合は学生の皆さんも即戦力です。それだけ期待もされます。一方、ベンチャーは基本的に生きるのに精一な人たちです。学生をかまってくれないことあります。ベンチャーのインターンには当たり外れが多いこともよく知っておきましょう。
外れたとしても「何が吸収できるかは自分次第だ!」くらいのマインドで行かないとベンチャーの長期インターンはなかなか持ちません。
マインドセットを強く持って行ってください。
大学1、2年生がベンチャーのインターンを探すのはキャリアバイトが一番いいかもしれません。Goodfindか、wantedlyもインターン掲載ありますが、どちらかというと既に就活を意識したインターンが多いです。
ベンチャーのインターンについては、別の記事でも色々と情報提供していきますね。
(キャリアバイト HP)
(Goodfind HP)
(wantedly HP)
https://www.wantedly.com/campaign/newgrad
就活戦略を続けるための自己管理方法、MBOとOKR
実際に就活戦略を自分の生活に取り入れてみよう!と思っても、どれくらいできているの?どのくらい自分は成長したの?と、成果が見えないと続けづらいですよね。
ここでは、自分の行動を習慣にしていくための、行動測定ツールを紹介したいと思います。
MBO(= Management by Objectives)
MBOとは、目標管理設計です。
自分なりの目標を立て、1か月、3か月、半年、1年といったスパンでその目標をどれだけ達成できたのか、を測定するものです。
原則一度立てた目標は変えず、どこまでできたか、を測定していくもののであるため、「きちっと計画を立てて進めていきたい人」には向いていると思います。
営業組織などは一度立てた目標の修正は基本的にしないので、こちらの指標が向いています。
目標はシンプルなもの、かつ数値にて測定可能なものにした方がいいです。
例えば
「オリンピックで世界記録で世界一になる」
という目標があると、
世界記録を出せば目標を達成するのか、世界一になればいいのかわかりませんね。例え世界一になったとしても、記録を達成できなければ目標には届いていないので、悔しがらないといけません。
それなら「オリンピックで金メダルを取る」というシンプルな目標の方がいいわけです。
「大学1年のうちにTOEFL iBT75点以上」とか
「営業のバイトで東京で1位になる」とか、目標は何でもいいので、必ず数字で追っかけられる目標設定をしましょう。
ちなみに、 MBOを作成するときはこちらの書籍がわかりやすいです。
OKR(= Objectives & Key Results)
MBOに比較するとOKRはもう少し柔軟性があるものです。
目標に対して、3〜4つのkey resultsを設定します。
このkey resultsを達成できた時に、自然とObjectivesが達成できている、という設計にします。Objectiveは抽象的なものでいいですが、key resultsは数字でできたかできなかったかを検証できるものにしましょう。
設計が少し難しいので、これは途中でkey resultsを変えても構いません。大切なことはobjectiveが達成されることなので、そのためのkey resultsに拘りはないです。
柔軟に自分の行動を変えて、工夫を凝らしながら目標を達成するのに向いています。チームで柔軟に目標を変えながら対応していくことが求められるような組織にはよく導入されています。
Googleやメリカリが会社で導入していることで有名ですので、こちらも以下の書籍等を参考に導入を検討してみてください。
Objective : 1年以内に尊敬する社会人を見つける
Key results : ①ベンチャーで長期インターンをする
②社会人に月1回会う
③尊敬する大学の先輩が尊敬している社会人3人に会う
こんなイメージです。まずは「尊敬する社会人を見つける」ためには社会人に会わないことには仕方ないですもんね。
大学生活はともするとダラダラしがちです。
(私もダラダラしてしまった人間ですが、、、)
この目標管理ツールを用いて、社会人にメンターとなってもらい、定期的に話を聞いてもらうような関係ができれば最高ですね。
就活戦略に合わせて読んで欲しい本
就活戦略に合わせて、特に大学1、2年生に読んで欲しい本があります。
7つの習慣
これは本当に素晴らしい本です。
大学生はまず「行動」が第一歩、次に行動を続けると「習慣」に、習慣は性格を変えます。この7つの習慣を知っているか知らないかで、1日1日の過ごし方が変わると言っても過言ではありません。
多くの企業の若手社員の研修にも用いられる本ですので、是非読んで見てください。
漫画版もありますので、漫画でもどうぞ!
未来に通用する生き方
幸せについて考える本です。国家として幸福度の高いデンマークから学ぶ、「幸せの定義」について書かれています。
自分は何のために仕事をするのか、何のために生きていくのか、等考えるきっかけになる本だと思います。日本人は幸せが苦手です。幸せだと人に悪い気がしてしまうようですが、幸せな時は幸せでいいんです。
将来が不安な人ほど読んでいただきたい本です。
竜馬がゆく
孫正義も大好きな坂本竜馬。この本はただの歴史小説ではなく、世の中の流れをどう読むのか、大事を成すために必要な素養は何か、など、本当に感動することだらけです。私も3回、全8巻読み直していますが、毎回新しい発見があります。立場が変わり、生き方が変わると、また違った角度から読むことができます。ただ、読むのに時間がかかるので、是非学生時代のうちに一度読んで欲しいと思います。
就活戦略を実行すると何が起きるのか
さて、就活戦略をうまく使った先輩たちはどんな就活をしていて、どのような社会に羽ばたいて行ったのか、気になりますよね。ここでは就活戦略を用いて自分の将来を勝ち取った3名の先輩の就活をご紹介したいと思います。
case 1 憧れの先輩を追いかけ続けたTくんは海運に
とある有名な、地方にある大学です。
高校を米国で過ごした経験から「日本らしい伝統的なことがやりたい」とその地域の伝統行事を行うサークルに所属し、自分の目指すべき先輩を見つけました。その先輩の周りを巻き込む力、人としての寛容さ、知らない人とでもすぐ打ち解ける愛嬌などを尊敬していたようです。先輩と同じサークルで大学生活全力を注ぎました。
先輩は卒業後に海運の会社に。「世界の人たちの挑戦を支える仕事をしたい」と、まさに自分と同じことを考えていたと。
そのTくん自身も高校から米国に留学する際に、とても緊張して飛行機に向かっていたところ、航空会社のパイロットさんが優しく話しかけ、背中を押してくれたことが非常に嬉しかったことから「自分の誰かの挑戦を支える仕事がしたい」と思うようになったと。
第一志望はパイロットでしたが、そこは落ちました。しかし憧れの先輩の所属する海運会社に。パイロットの道は閉ざされたものの「自分の道が見えているので非常に楽しみです」と言っていました。
正直面接であったときに、私は銀行員の面接官でしたが、彼は航空会社と海運会社に対する熱い思いを語ってくれました。
「他の会社に落ちたときにでも、採用人数枠に関係なく採用しておくべく人材」として、志望度は低かったのですが、彼に内定を出し他社の選考結果を待ちました。愚直に憧れの先輩の姿を追いかけ、自分の原体験を大切にする彼との面接は5年経った今でも忘れられません。
大学1、2年生のうちからロールモデルを持ち、その人に近づくために努力を重ねることでこんなにも充実した学生生活になるんだなと驚いた記憶があります。
case 2 大学の授業で金融を知ったMさんはメガバンクに
私自身が大学の授業で「社会人が教える社会で活躍するためのスキル」のような講座を持っていました。その時の生徒さんです。
Mさんは文学部で、最初「金融」というものには全く興味を持っていませんでした。「とりあえず来てみました」くらいの探り探りのような状況です。最初はビジネスコミュニケーションやロジカルシンキング、日経新聞の読み方のようなものから始まり、2か月目くらいからより実践的な内容に。
実際の銀行の顧客の経営企画の人に対して、経営戦略提案をぶつけてフィードバックをもらう、というものです。
ひたすらに顧客企業の分析をし、会社の良いところ悪いところの切り口を探し、市場の環境、将来の動向などを加味し提案を作りこんでいきます。
その過程で彼女は「金融はお金儲けを軸にした会社だと思っていたが、ここまでお客さんのことをしっかりと考えるんだ」と意識が大きく変わったようです。
漫然と「誰かの支えになる仕事がしたい」ということを考えていた彼女にとっては、金融が誰かの支えになる、という新しい発見となったようです。
授業から3年後に彼女は私の働いていた銀行にいました。大学2年生の時にとったその授業が彼女の人生を切り拓くきっかけとなりました。
大学1、2年生のうちから、視野を広めておくことの大切さを感じました。
case 3 ルワンダでコーヒー豆を販売したYくんは総合商社に
最後は少し変わった学生の紹介です。
実は彼はコミュニケーションもそこまで上手なわけでもなく、リーダー的にみんなを率先して率いていくタイプでもありません。ただ、物事に対するストイックな姿勢が尋常でない、という学生さんです。
その学生は自分のことをよく知っていて、「何でもやります。ただ、ある程度のことなら人より何でもできるようになる自信があります。」というタイプの学生でした。2年生の時からベンチャー企業で長期のインターンをしており、そのベンチャーは東大出身、大企業での勤務経験もあるような、しっかりとした経営者が運営するベンチャーで、非常にハイレベルな議論に加わって仕事をしていたようです。そこから、「優秀な人とたちと一緒に仕事ができる喜び」を感じるようになりました。
その後、マーケティングの先生のゼミに入っていたのですが、その先生の紹介でルワンダのコーヒー豆のマーケティングのインターンに。現地に行くと中国企業の進出が目覚ましく、日本人がアフリカに行くと必ず「Chinese??」と聞かれていたと。自分の武器はストイックに物事を頑張ること、やりたいことは優秀な人材と高め合うこと。その舞台として、アフリカで中国の優秀なビジネスパーソンとの競争、という舞台を選んだわけです。
正直、彼のようなタイプは面接に落ちまくります。
「御社への志望度は高くないですが、欲しければどうぞ」というスタンスなので、面接官からすると内定を出すには覚悟がいりますよね。
早めに選考が進んでいた会社からことごとく選考で落とされ、さすがに若干凹んでいたようでした。僕は彼の特性を良く知っていたので、間違いなくその年代の学生の中ではトップクラスに活躍するようになる人材だと思っていました。僕は彼を面接に通す絶対的な自信がありました。
「そのスタンスは曲げるな。骨は拾ってやる」と言って送り出したところ、見事に総合商社2社からの内定を取り、一番人気のあるところに入社しました。
大学1、2年からしっかりと自分を理解し、自分を成長させるためのチャレンジをし続ければ「僕が欲しければどうぞ」でいけます。「御社を志望する理由は、、、」なんていらないわけです。
「僕は●●という人間です。なので、こういう生活を送ってきており、将来的に▲▲を成し遂げたいと思っています。いりますか?いりませんか?」
という非常にシンプルなものですね。あとはもう自分と会社の相性だけです。
就活戦略で目指すべき姿はまさにこのレベルです。
実は中途採用がこれに近いイメージです。
「私が社会人生生活10年で経験してきたことは●●で、▲▲というスキルがあります。私を雇う年収は■万は必要です。いりますか?いりませんか?」ということですね。
「就活までにやっておいた方がいいこと」のウソ / ホント
ここは少し余談になりますが、1、2年生に対しても、大学の先生や周りの大人から、「将来の就活を見据えて、こんなことやっといたほうがいいんじゃないか?」と進められることがありますね?でも多くのアドバイスをしてくれる人たちは、就活の面接官をやったことがない人たちです。
元面接官の目線から、その方々のアドバイスのウソ / ホントをお伝えし、皆さんの大切な時間を生み出すことで、少しでも社会人との接点を作れるようにしたいと思います。
1 バイト
よく、「就活に強いバイト」とか言われますね。代表格はスターバックスでしょうか。正直どこでバイトをしていたか、なんていうのはどうでもいいですw
アルバイトは普段接することのできないような、幅広い人たちと出会ういいチャンスですよね。是非いろいろな体験をして欲しいですが、オススメのアルバイトを紹介しておきます。
スターバックス
よくスターバックスでバイトをしていると就活で有利、とか言われますね。う〜む、個人的にはあまりよく思ってません。
スタバでバイトしている人って、良くも悪くも、普通の人よりは充実した大学生活を送っているけど、普通の明るめの人、という感じで、あまり飛び抜けた人がいない印象です。よく言えばしっかりしている人、悪く言えばこじんまりしている人、というのが個人的な印象ですね。
スタバでバイトをしている人でもいいな、と思う人は割とどの店舗で働くのか、までこだわりを持っています。
例えば「六本木店は外国のお客さんが非常に多いので外国の人とのコミュニケーション力が鍛えられると思った」とか。
あと面白かったのは「普段利用しているスタバの店員がイマイチだったので、自分が変えてやろうと思った」とか。
何か明確な目的を持ってやるのであればいいと思いますが、これだと別にスタバである理由はないんですよね。
うん、そんな感じです。
塾の先生
塾の先生はいいですよ。
自分自身を見つめ直すことや将来を考えることに対してはあまり意味はありません。
「難しいことをわかりやすく説明できること」、が上手になる、はずです。
先生としてお金をもらって生徒さんに教えないといけない、いろいろなものを噛み砕いて、分かりやすく説明し、生徒の成績を上げないといけないですよね?ただ単に時給が欲しくて先生やっているだけではダメで、いかに
「わかりづらいものを相手に伝える方法」を考えられるかどうかです。
これは、世の中に出た時にいろんな場面で役に立ちます。
もちろん就活の面接。「就活戦術」のところでも書きますが、「私という非常にわかりづらいもの」をいかに面接官にわかりやすく伝えるか、が非常に大切です。
社会人と会って自分に対するフィードバックをもらう時、自分のことを理解しても合っていれば適切なアドバイスをもらい次に活かすことができますが、自分のことを知ってもらっていなければ的外れなことを言われておしまいです。。。せっかくの機会がもったいないですよね。
この「分かりやすく説明する能力」は非常に重要で、以下のように
「マッキンゼー流分かりやすいなんとか」とか、世界の最高峰の知能を持った会社でさえも「わかりやすくするためのノウハウ」を売りにしているくらいです。
是非、塾の先生のバイトで身につけてください。
マクドナルドのバイト
マクドナルドのバイトは、長く続けていれば効果があります。
2つの理由があります。1つ成長環境です。
マクドナルドというのは長く勤めるアルバイトに対してその店舗のマネージャー、経営的な仕事まで任せて行きます。店舗の売り上げをどれくらいにしたいのか、そのための施策としてはどんなものがあるのかなど、もちろん限られた範囲ではあるのですが、一定の裁量をもたせてもらい、様々なチャレンジをすることができるようになります。
学生からこんな経験ができるのはなかなかないですね。
2つめ、マクドナルド大学というのが存在していて、社員向けの研修、教育を実施しています。このプログラムがなかなかに充実していて、評判がいいです。また、そこで面白い人との出会いが生まれますよね。そのようないい循環を作ることができるのが、マクドナルドのバイトのいいところです。
マクドナルドは多くのアルバイトで成り立っている会社ですから、いかにアルバイトを成長させるか、ということを本当によく考えて実践していると思います。
でも、長く働いていないと「辛くて逃げた人」と思われがちなので注意が必要です。
2 資格
TOEIC
英語系の資格は正直中途半端にとるのは意味ないので、将来本気でグローバルに働きたい、と思っている人はなくてもいいです。
やるなら900点以上です。むしろTOEFL iBT80点以上とか、IELTS6.5以上とかの方が、本気度が見ていいと思います。TOEICはあくまで読み聞きだけですからね。将来的に海外留学をするとかを見据えると、TOEICでは不十分ですね。
なので、履歴書用にTOEICやっとかなきゃというようなことは、本質的ではないので、そんな時間があるなら社会人に会いに行きましょうw
簿記
受ける職種にもよると思いますが、簿記を持っていて有利になることはあまりないように思います。税理士持っているとか公認会計士受けてるとか、そこまで本気であればいいのですが。簿記二級とか、それくらいであれば持っていてもなくてもあまり変わりません。
ただ、メーカーの経営企画系の職種や生産管理の仕事になると、簿記二級くらいの会計知識を持っていると役に立つことがあります。2〜3か月あれば勉強できますので、時間に余裕のある人は受けておいてもいいかもしれません。
秘書検定
これは諸刃の剣です。
本気でビジネスをしていきたい、と思っている人は最初から秘書を志すことはないので、秘書検定は取らないですね。
ビジネスマナーをしっかりしたい、というのはまぁいいのですが、本質的にはビジネスマナーは形でなくて実践の中で磨かれていくものであるので、特に学生の間に気にする必要はないと思います。
就活戦術的にも、秘書検定を持っていること=一般職のマインドを持った人として見られがちなので、注意が必要です。
3 留学
少なくとも、「チャレンジをした」という意味では有利に働きます。ただ、あくまで「チャレンジの場が留学だった」というだけで、大切なのはそこで何をしたか、何を得たか、どう変わったのか、という変化量です。
まだ留学生が少なかった頃は、留学をした、英語力がある、ということで企業は特別視をしてくれました。語学力があれば採用を優位にしようと。
しかし、今では多くの企業が「語学力は選考で加味しない」と考えているはずです。「英語ができて仕事ができない」人は結局どこに行っても仕事ができません。ただ、「仕事ができて英語ができない人」は海外に赴任をさせることで英語力を伸ばすことができます。
多くの日本企業が「英語ができて仕事ができない人」を採用して失敗をしてきました。なので、今は英語力があるからといって採用が有利になる、というわけではありません。
英語を通じて培った、グローバルチームで働く力や多様な文化を受け入れる力、日本人の苦手な意見発信力等、英語が使えるからこそ出来上がるパーソナリティ、能力を評価するのです。
例えば
「大学受験で東大に行けなかった。だからこそ世界大学ランキングで東大よりランクの高い大学に留学するために猛烈に勉強した」
「留学先でインターン先に受け入れをいきなり断られ、別のインターン先を意地でも探した」
など、ストイックさやバイタリティがわかるようなエピソードでもOKです。
「最初は言葉もできずに友人でができずに戸惑った。でも勇気を出して話をすることで少しずつ打ち解けていけた。」
こんな話では全く意味がないわけです。知らない人だらけの場所に行けば同じような経験がどこでもできますよね。
最後に
長々と記載をしてきたましたが、20%くらいは「確かに」と思っていただけましたでしょうか?
この「ロールモデルを探す」というのは非常にシンプル、そして誰にでも経験のあることかと思います。これが、大学や社会に出ると一気に世界が広くなるがために見つけづらくなる、もしくはその重要性を認識できなくなる、ということですね。
是非、実りある学生生活を送るために、実践してみてください。
もし何か、直接聞きたいこととかがあれば、「無料相談」から連絡くださいね。