元メガバンクで採用戦略担当していました。色んなところに就活系の記事があるのですが、企業からお金をもらって書いている記事がほとんどで、実態が見えません。企業分析、選考内容、金融各社の採用に対する考え方を、ここでしかわからないものを公開していきます。
参考記事:【学歴フィルターは?】第一生命保険の採用大学一覧|就職難易度,倍率も
- 1. 【第一生命就活の一歩目、生命保険の基本】
- 2. 【コラム1:なぜ第一生命は就活ランキングで人気があるの?】
- 3. 【コラム2:相互会社と株式会社、どっちがいいの?】
- 4. 【第一生命あるある】
- 5. 【第一生命の歴史、文化】
- 6. 【第一生命の事業上の特徴】
- 7. コラム:なぜ評価の悪い保険が売れるのか
- 8. 生保の強みの比較
- 9. 【第一生命の組織解説】
- 10. 【第一生命の職種、キャリア】
- 11. 【Vorkers(Openwork)の比較】
- 12. 【OBOGの活躍】
- 13. 【採用の状況】
- 14. 総合職の大学別内定難易度
- 15. 【選考の状況】
- 16. 【第一生命に採用されるのはどういう人?】
- 17. 【ライフプロフェッショナル職は合格率5割!?】
【第一生命就活の一歩目、生命保険の基本】
第一生命就活の一歩目!と言いながら申し訳ございませんが、生命保険の基本的な話についてはリンクの日本生命の記事に掲載してますので、是非そちらをご覧ください。
生命保険の会社がどう儲かっているのか、の仕組みを解説しています。
どう儲かっているのか=どんな目標を持って仕事をするのか、に直結します。
仕事をする上で、どんな目標を持つかは仕事に対するモチベーションにとってとても大切な話です。しっかり見ておきましょう。
【コラム1:なぜ第一生命は就活ランキングで人気があるの?】
第一生命はどうして就活ランキングで人気があるのか。
と思ったら、最近は人気ないんですね汗
昔は日経新聞の就活人気企業ランキングでトップ3の常連だったのです。今はもう100位にも入っていない。
何があったのか、ということなんですけど、学生の皆さんが第一生命という会社の名前を知るのは、そう、東京ディズニーシーのセンターオブジアース、ではないでしょうか?
ここのアトラクションのスポンサーに第一生命がついています。
昔は第一生命のTVCMは「人生は冒険だ〜」と歌ってましたし、そう、ディズニーと仲がいいんですね。
それがランキングと何の関係があるのか、ということですが、実はランキングに大きく影響を与えます。
就活ランキングの投票はほとんどの場合がインターネット上での投票と、就活イベント会場での投票の2つで票集めをします。すると第一生命が就活イベントの投票箱の近くに「投票してくれたらディズニーグッズをプレゼント!」とするんですよね。
だいたい投票用紙には5つくらい、企業を選ぶようになっていますから、学生の皆さんは5つも企業を選べません。残った枠にどの企業を書こうかな?と思ったら、目の前でディズニーのグッズをプレゼントしてくれる優しい優しい会社が出現するわけです。
票を集めるイベント運営会社としても、たくさん票が集まった方がいいですから、ディズニーグッズを提供してもらえるこのやり方は悪くないんですよね。
こうして、多くの学生が投票用紙に「(ディズニーグッズをくれる)第一生命」と書いて投票するのです。
会社の人気でなく、ディズニーの人気で票を集めに行く。なかなか賢いですよね〜。
ちなみに、東京海上日動は「抽選でスタバカードプレゼント!」とか言ってやってましたw
【コラム2:相互会社と株式会社、どっちがいいの?】
第一生命は東証一部上場、日本を代表する上場会社の1社です。
しかし、第一生命と同じく日本を代表する生命保険会社である日本生命と明治安田生命は「相互会社」という特殊な形態の企業となっています。
そもそも、相互会社とは何か。それを紐解くのは、生命保険の性質を考える必要があります。
そもそも生命保険とは、「みんなが日頃から少しずつお金を貯めておいて、誰かが困ったらその人にお金を使ってもらおう」という性質のものですよね。
これの規模が大きくなってきて、「じゃあ私がそのお金の管理をしておくよ」として管理をしているのが生命保険会社です。
お金を預けている人としては、自分に何かあった時に助けて欲しいのでこのお金を保険会社に払っています。一方で、生命保険会社からすると、何かあった時にお金を出していくと、手元のお金がなくなって自分の給料すら払えない、ということになってしまいます。
保険会社にお金を預けている人は何かあった時にちゃんと保険を払って欲しい。
保険会社はできる限り、お金を払いたくない
こんなコンフリクトが起きてしまって、なかなか保険金が支払われなくなってしまいます。
さらに、株式会社という形態だと、会社は株主のものです。会社はお金を稼いで株主に還元してあげないといけません。
株主は経営者を選ぶ権利がありますから、保険会社の社長があんまり儲からないようだと、株主にクビにされてしまいます。そうすると何としてでも保険金を支払わずに、自分のポジションを守りたい、と考えたりもするでしょう。
このような仕組みを解決するのが、相互会社です。
株式会社が「会社は株主のもの」であるのに対し、
相互会社は「会社は保険に加入しているみんなのもの」なのです。
相互会社でさえ、自分たちの給料のために保険金支払いたくないのですから、株式会社はさらに保険金払いたくないですよね。保険加入者を保護するために、相互会社は存在するのです。
ただ、株式会社、相互会社ともにそれぞれメリットとデメリットがあります。まとめておきますので参考にしてください。
相互会社 | 株式会社 | |
経営の柔軟性 | × 資金調達手段が限られる |
○ 株式市場から調達できる |
保険加入者保護 | ○ 利益要求が小さい |
× 株主からの利益要求に応える必要あり |
主に差が出るのはこの2つの項目です。
経営の柔軟性
ライフネット生命など、インターネット保険が台頭してきましたね。新しいことを始めるのはお金がかかります。
また、最近は各保険会社ともに海外進出に積極的です。株式会社であれば株式市場から資金を集め、投資の資金を確保することができます。
相互会社がお金を調達するには金融機関からの借り入れくらいしかありません。日本生命くらいいい会社であれば銀行からの借り入れもたくさんできるので問題ないでしょうけど、そんなに優良な会社ばかりでもないですからね。
生命保険自体の収益性が落ちてきた時に、それ以外の会社を支えるビジネスを作らないと保険金すら払えない、となった時には株式会社の方が色々とチャレンジできるわけです。
保険加入者保護
現実としてどうか、はおいておいて、理論的には保険加入者保護は相互会社の方が一歩リードです。
なぜなら、そのために相互会社という特殊な会社が認められているのだから、そうあってしかるべき、なのです。
短期的な業績に左右されずに、中長期的な目線でお客様としっかり向き合いましょう。とうことですね。
なんだかとても良さそうに聞こえますが、インターネットの普及などで一気に生命保険の経営が変わり、会社が危なくなったりすると、あまりそれに対して対応できることがありません。相互会社は昔ながらの保険会社のためにある制度だからです。
そういう意味では相互会社が万能というわけではなく、時代の動きの激しい現代においては、むしろ相互会社でいることのデメリットも多くあるのが実態です。
なので、「どっちがいいの?」と言われると、「一長一短」としか言いようがありませんね。
損害保険会社と生命保険会社はなぜ一緒になるの?
これはどちらかというと、損害保険会社の事情を説明した方がいいと思います。
東京海上日動、通称マリンの事業収益の比率を見てみましょう(決算説明資料より抜粋)。
国内損害保険、国内生命保険、海外保険がバランスよく配分されていますね(生命保険は「事業別利益」を見てください)。
意外にも生命保険の利益がかなり大きく、全体の1/4くらいあるんですよね。
損害保険の会社はマリンだけでなく、ほとんどが生命保険、損害保険の両方の会社を持っており、それぞれが相応に大きな規模を持っています。あんまり採用の時は言わないかもですね。就活生に知られたくないw
なぜ、損害保険会社と生命保険会社が一緒になるのでしょうか?
そして、損害保険の会社は生命保険の会社を持つの対し、生命保険の会社は損害保険の会社を持つわけではないので、明らかに損保から生保に攻めいってる感じなんですね。この辺りを少し紐解きたいと思います。
そもそも生命保険の方がビジネスとして美味しい
そう、そもそも生保の方がビジネスとして美味しいのです。
自動車保険は1件年5万とか、それくらいの薄利多売なビジネスの積み重ねであり、逆に言うとどんなに頑張っても保険金額が5億程度を超えることがないから、保険料にも限界があります。
それに比べて生命保険は、「残された家族にたくさん資産を残したい」と思えば、ある程度上限なく、個人の資産をがっつり生命保険に持っていくことができます。(相続税の評価控除金額などありますが)
ビジネスとして、損害保険より生命保険の方がアッパーが大きいんですね。
なので、生命保険会社は敢えて利幅の少ない、大変なビジネスをやるよりも生命保険だけやってればいいや、と考えますし、損害保険会社は「是非とも生命保険をやりたい」となって生保会社を頑張るわけです。
第三分野の保険への参入認可により損害保険会社は生命保険へ入り込む余地が出た
そんな美味しい生命保険への参入を損害保険もいつかやりたい!と思って見ていたわけですが、この第三分野保険の解禁、という一大事が損害保険会社の野望を実現することになりました。
第三分野というのはガン保険とか、介護保険のようなものですね。これが生命保険と損害保険のちょうど真ん中のような保険なので、生命保険会社、損害保険会社の両方に販売が認められたのです。
ノウハウが生命保険にも損害保険にもないですから、全く新しいビジネスを創り出すきっかけとなり、生命保険+第三の保険の組み合わせが主流になる中で、自分たちのシェアを一気に拡大して行ったのです。
はい、こんな流れで、損害保険は生命保険事業を取り込んでいき、今では損害保険に近い利益を生み出すような事業にまで成長しているんですね。
ちなみに東京海上日動、マリンは以下のように損保、生保の会社を持っています
損害保険 ・・・ 東京海上日動火災、日新火災
生命保険 ・・・ 東京海上日動あんしん生命
【第一生命あるある】
さて、少し真面目な話が続いたので、ここで息を抜いて
「第一生命あるある」
についてお話をしたいと思います。
よく学生さんから聞かれた質問でもあります。
気軽に読んで下さい。
第一生命で就活しようとすると必ず出てきますw
人事の人が暑苦しくないですか?
A なんか、そういう文化なんですかね?確かに暑苦しいですw
少し前に辞めてしまった人が最も暑苦しいDさんという方がいらっしゃいました。
その人の遺伝子が引き継がれているのかもしれませんw
第一生命はリクルーター制ですか?
あんまり聞いたことないですね。オーソドックスに合説、自社説明会、ES、選考という流れかと思います。
生命保険でリクルーターゴリゴリやっているのは日本生命と住友生命じゃないですかね。
リクルーターがいいのは、あまり入りたい会社じゃないとしてもしっかりリクルーターが話をしてくれて業界に関する知識を深めたり、業務に関するイメージをしっかりつけられることです。
日本生命は学歴高い人しかリクルーターつかないので、就活偏差値の高い大学にいらっしゃる方は日本生命、そうでない方は住友生命のリクルーターに鍛えてもらいましょう。
第一生命のOBOG訪問は、以下のサイトから見つけると簡単です。
OB/OG訪問なら、インターンだけでは分からない企業の情報が手に入る。
実際にその企業で働いている先輩の話を聞いて、あなたの行きたい理由を見つけよう。
残念ながら、それなりにいい大学の先輩しか掲載がないのですが、そういう人を多く取っている、ということでしょうね。
地方転勤が多いと聞きますが?
A 最近はそこまで多くないようです。
昔は多かったようですが、現在はそこまで多くなさそうですね。ビジネスが大きく変わってきているから、というところもあるのですが、総合職の人間は割と本社+海外拠点、という働き方も増えています。
昔は中堅中小の代理店が非常に多かったので、そのフォローのために全国回らなければいけませんでした。
銀行窓口で保険の販売が解禁になって以降、銀行での保険が販売がものすごい増えました。
結果として、銀行をうまくケアしておけばいい 、そうすると本社側でいかに銀行を押さえておくかとか、財閥系の会社であればちゃんと仲良くしておく、とか、そういう仕事がより重要になるわけですね。
現場自体はある程度、新しい保険商品の説明会をやってあげたり、「この保険を契約したらこんなグッズを差し上げます」というものを説明したりしている、くらいになって、エリア総合職の方にお任せするようになっています。
転職する人が少ない?
A これは職種によって結構違いますね。
総合職の普通の人 → 転職少ないです
総合職の運用職種 → そこそこ多いです。外資とかの方が同じ仕事で給料数倍なので。
ヘッジファンド、外資系投資銀行、外資系運用会社(フィデリティとかブラックロックとか)ですかね。
エリアの個人営業 → そこそこ多いです。業務がきつい+他で通用するスキルが身につくので。
保険の窓口とかイオン銀行みたいなところに行かれる方も多いです。プルデンシャルに行く強者もたまにいます。
他の生命保険会社との違いは?
A 仕事自体に変わりはないので、会社の雰囲気とかですね。日本生命よりも少し緩やかな人が多いです。
日本生命が個人の保険契約数ではブッチ切りのトップでプライドも高い。割と体育会的な仕事の向き合い方をします。
第一生命の方がもう少しゆるく、「さて、今日もやりますか〜」みたいな雰囲気はあります。
結果云々よりも「やるべきことをやっていれば結果は出る」という感じなので、真面目な人にはやりやすい会社だとは思いますね。
ぶっちゃけお給料はどれくらいなの?
A 大手の金融機関としては平均的なところで35歳で年収1,000万、みたいな感じですかね。
突出して高すぎず。30代で1,000万円もらえればそんなに不自由はしないかと思います。
内定辞退は多い?
A それなりに多いと思います。職種によっては辞退率が5割を超えます。
想定する内定辞退率は以下の通りです。
総合職 → 30%
基幹経営職 → 50%
ライフプロフェッショナル職 → 70%
かなと。ライフプロフェッショナルが先ほど申し上げた、企業にお邪魔して個人の保険の契約を取る、みたいなことをする人たちと思われますが、ここは非常に各社人材の取り合いで厳しいところですね。
総合職は採用数がそこまで多くないので、内定者のフォローもそれなりにできるでしょうから辞退率30%程度かと思います。
どんなに良い会社でも内定辞退率は10〜15%あるようなので、まぁこれくらいは仕方ないですね〜
営業はノルマがきつい?
A プレッシャーはそこまできつい方ではありません。
同じ生命保険の業界ではプルデンシャル生命がノルマにはめちゃくちゃ厳しいです。ノルマやらない人は去れ、くらいなので。その代わり年収がめちゃくめちゃ高い。
日本生命は日本の会社なので、外資のようなきつさはありませんが、数字を求められるは求められます。営業をしている限りは営業成果はつきものです。
特に営業総合職や法人FCの職種の方は基本営業しかキャリアがないので、ここでしっかり勝負したいですね。スポーツをやっていた人なんかはわかりやすい世界だと思いますが。
「第一生命ビル」というのがたまにあります。
A はい、第一生命ビルは第一生命の保有しているビルですね。先ほど出てきた運用チームの人達が保有している不動産です。生命保険料で入ってきたお金の運用の一環としてビルを建て、テナントさんを入れて賃料収入を得ています。第一生命が自分で使うビルというわけではなく、人に貸すためのビルがいろんなところにあります。
日本生命のニッセイビルの方がいたるところにたくさんあります。第一生命ビルはそこまで多くないですね。
どうすれば内定取りやすい?
A 最短内定には要は徹底的な自己分析、が必要なのですが、様々なサイトがある中で、Offerboxとキミスカの2つの自己分析ツールは有用だと思います。2つ登録して、内容を見比べる、というのがいいかと。
大手からベンチャー企業まであなたにオファーが届くスカウト型就活サイト【OfferBox】
キミスカでインターン経験・就活状況を人事にシェアしてスカウトを獲得!
そして東大、早稲田、慶應あたりだとBIZ reach campusでOBOG訪問を活用して自己分析を深めていくのがいいです。
残念ながらそれ以外の大学だとOBOGの数が少ないので、別ルートのOBOG訪問を考えないといけないですね。
三菱東京UFJは採用でリクルーター制がないので、先輩社員と会うのが難しいです。うまくこの辺りのサイトを活用してください。
僕の考える就活の進め方はいかにまとめていますので、参考にしてください。
https://syukatsunohonne.com/472
【第一生命の歴史、文化】
第一生命の歴史って、びっくりするほどホームページに載っていないので調べづらいですね、、、なので、ここで少し紹介しておきたいと思います。
パナソニックとかはホームページに歴史をすごい載せてくれているんですよね。パナソニックの歩み、松下幸之助の考え方、みたいなもの。
そういう意味で、ホームページに歴史の記載がないというのは「これ!」といった企業文化がない、というメッセージなのかもしれません。
一番よくまとまっているのは以下のサステナビリティレポートですね。P7あたりにあります。
https://www.dai-ichi-life-hd.com/sustainability/library/report/2019/pdf/index_001.pdf
一番の特徴は、市場の安定性、にあります。メガバンクやメガ損保がひたすらに合従連衡を重ねて3つの大きな企業グループに収斂しているのに対し、生命保険は未だに大きな生保が乱立している状態が続いています。
サブプライムローン問題で一時危ういと言われた時もありましたが、結局は大きな統廃合もそんなになく、乗り切りました。
人の生き死にはそんなにボラティリティがない、病気も保険対象であるがんや脳卒中などが劇的に増えるわけではないので、いきなりの市場変革を迫られない、という特徴があります。
ここで見る第一生命の特徴は「世の中に本質的に役に立つ会社になる」ということです。
【第一生命の事業上の特徴】
第一生命の現在の事業の特徴をまとめていきます。事業の概要や今後の展開を知りたい時は、「個人投資家向け」資料をみると良いです。
なぜなら、個人投資家=投資にあまり詳しくない人にも、自分たちのやろうとしていることを丁寧に説明する必要があるので、わかりやすく資料をまとめてくれます。
https://www.dai-ichi-life-hd.com/investor/individual/event/pdf/index_001.pdf
明確な3つの戦略
この計画の中で明確に3つの方針を打ち出しています。
1 国内の「シェア拡大」 ・・・ 営業戦略とチャネル戦略を頑張る
2 海外事業の推進 ・・・ 海外M&Aなどを積極的に推進する
3 アセットマネジメント事業の強化 ・・・ 保険料の運用でもっと儲ける
1 国内シェアの拡大
以下が国内のシェアなのですが、保有契約件数を見ると日本生命とアフラックがダントツトップですね。第一生命は4番手で、日本生命の半分もない、と言う状況です。
しかしながら新契約件数では109.5%と、勢いはあります。どこで売るか、どう売るか、という営業とチャネル戦略で実績を伸ばしているのですね。
しかし、日本生命と同様、保険自体に対する評価は必ずしも高いというわけではありません。
(Oricon生命保険ランキング)
(保険市場生命保険ランキング)
残念ながら、一つとして評価の高い商品がありません。
コラム:なぜ評価の悪い保険が売れるのか
不思議に思いませんか?普通はユーザーからの評価が高いものが売れやすいはずですよね。
でも、人気の商品には出てこない日本生命、第一生命が業界トップであり、前年比110%近く伸びているんです。食べログや価格コムがないのかな?と思いますが、保険業界の抱える難しさがこの「商品に魅力はないけど売れる」ということを可能にしているのです。
保険商品の特殊性は以下の通りです。
・内容が難しい、「良い」と言われてもどこが良いのかよくわからない
・金額が高額、一度入ったら抜けづらい
・入ったあと何かが起きる時までは基本関係ないので、興味を失う
消費者の心理としては「良いもの」よりも「ある程度の納得感=これで大丈夫そう」ですとか、「まぁ騙されてはいないだろう」という安心感の方が、実際の購買行動に近いんですね。
だからこそ、良い商品でなく、「購入決定の時の納得感」のために顧客との接点を多くもつ日本生命がトップを守り続けられるわけなのです。
う〜む、せっかくなら良い商品を買いたいですけど、消費者の理解がそこまで追いつかないという、難しい状態ですね。
ここにメスを入れようとしているのがライフネット生命とかなのだと思うのですが、どうしてもコストメリット追求になってしまい、商品力での勝負にはなりづらいですね。
生命保険業界自体が非常に安定している市場なので、このような変革を求められてきていない、ということが背景にはあります。ただし、他業界と同様の波は必ず押し寄せますので、第一生命も良い保険商品を開発していかないと、いつか消費者に取り残される時代が来るかもしれませんね。
就活をする皆さんも、知っておいてください。
生保の強みの比較
さて、生保の強みを財務情報から少しひもといてみましょう。
日本生命 | 第一生命 | 明治安田生命 | 住友生命 | T&D HD | ||
当期純利益 | 稼ぐ力 | 2,787億円 | 2,250億円 | 2,225億円 | 606億円 | 728億円 |
利益の3年成長率 | 成長度 | -7.7% | -2.7% | -4.8% | -27.3% | -3.2% |
総資産 | 規模 | 79兆円 | 56兆円 | 39兆円 | 32兆円 | 16兆円 |
ROA | 効率運営 | 0.35% | 0.40% | 0.57% | 0.19% | 0.47% |
時価総額 | 期待度 | – | 2.2兆円 | – | – | 0.9兆円 |
生保のビジネスは
規模が1番、効率2番
です。規模が大きいほど強いので、規模が一番大きいのは日本生命です。一時期第一生命が規模で日本生命を抜く、というタイミングがあったのですが、日本生命が意地で三井生命(現:大樹生命)を吸収したので、また日本生命が一位に返り咲きました。
第一生命の決算資料に面白い表がありました。
第一生命は業界第二位
政府系で一番大きいのがかんぽ生命ですね。大手生保、となっているのが日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命かな。
外資系はアフラックやプルデンシャル、ジブラルタル生命あたり。
損保系は東京海上日動、三井住友会場、損保ジャパン日本興亜の3社です。
上位9社で市場シェア55% = 寡占市場と考えられます
ある程度の規模がないと生き残れない、逆に言うと新規参入が難しいので、ある程度均衡している状態であると言えるかと思います。
効率運営で見てみると
明治安田 > T&D > 第一生命 > 日本生命
まだ明治安田までは0.17%の差があり、これが実現すると56兆円の0.17%で1,000億円近い利益になります。
まだまだオポチュニティがある会社ですね。
また、利益の3年成長率では一番マイナス幅が少ないので、一番安定して頑張っています。
逆境でも粘り強く、着実な利益を出す会社
【第一生命の組織解説】
さて、会社全体を理解するには、会社がどのように成り立っているのかを知る必要があります。
組織図はあまり就活をしている時にみようと思いませんね。正直よくわからないからです。
しかし、OBOG訪問や人事面接の時も、相手と同じ目線で話ができると「よく調べてきているな」と思ってもらえます。
就活生が周りと差別化するためにも、見ておくといいかもです。
主な8部門は以下の通りです。
リーテイル部門
ホールセール部門
アンダーライティング部門
資産運用部門
海外事業部門
企画管理部門
窓販・代理店部門
ITシステム部門
部門毎の特徴を理解しよう
「リーテイル部門」 第一生命で最大の組織
第一生命の中でもっとも大きな部門がこのリーテイルです。個人向けの営業の方を多く抱えているためです。基幹経営職、ライフプロフェッショナル職の方が多く在籍しているイメージですね。基幹経営職はこのリーテイル部門のマネージャーを目指していく方々、ライフプロフェッショナルは基本女性ばかりです。結婚や出産がある中、柔軟な働き方が求められますので、転勤なし、退職者も多い職種です。
ファイナンシャルプランナー(FP)の資格をとったりしながら、一人一人の人生設計と向き合う仕事です。
私は月2.5万円の生命保険に入っているのですが、これを24歳から60歳まで、35年払い続けます。
月2.5万=年30万×35年=1,050万円
こんなに大きな買い物になるんですね。
生命保険というのは、家の次に大きな買い物と言われますが、本当にその通りなのです。
だからこそ、一人一人の考えに合った内容を考えないといけないですね。
総合職の方は直接顧客の相談に乗ることは基本的にありません。
①お客様と直接向き合う営業
②営業のインセンティブ設計をしたり商品開発をしたりする企画部門
の2つがあって、総合職で入るとほとんど②ですね。
「ホールセール部門」 知られざる大規模組織
学生の方からは馴染みがないので、就活で初めて知るよ、という方も多いのがホールセール部門です。
企業の福利厚生や企業保険の案内を会社向けに行っていくサービスですね。
例えば私のいた銀行では、社員一人一人に銀行が勝手に生命保険をかけてくれていました。ほとんどの社員が知りませんが、社員が亡くなった時に、ご家族の方が保険金として毎月お金をうけとることができました。社員だけでなく社員の家族のためにも、こうした制度があるとうれしいですよね。
あとは、企業が創業オーナーで強い影響力を持っている時など、もしその方が亡くなってしまったら会社の経営に大きな打撃を受けますよね?なので経営者が亡くなった時のために、会社として保険に入ったりするのです。
例えば銀行であれば3万人の社員がいます。この福利厚生の契約を1件とるだけで個人営業3万件分です。
ロットが非常に大きいので、総合職の方が大企業向けに一生懸命営業していたります。
(大同生命なんかは「長く続く会社が多い国はいい国だ」という中堅中小企業向けのCMやっていたりしますが、この取引を狙って行ってます。)
「アンダーライティング部門」 保険を守るバックオフィス
うーん、珍しい名前ですよね。他の保険会社では「お客様サポート部門」「お客様サービス部門」と呼ばれることが多いです。確かに仕事はアンダーライティング(契約を取った後の事務処理)なのですが、保険の場合はお客様に何かがあった時に保険金をお支払いしたりするような部門ですよね。
投資家から見るとアンダーライティングでわかりやすいのですが、お客様から見た時にアンダーライティングはちょっとな、と思います。
ネーミング変えたほうがいいですよね。誰を向いて仕事をしているのかがわからなくなります。
「資産運用部門」 注力事業の一つ、資産運用を一手に引き受けるインテリ集団
生命保険は商売の構造上、非常にたくさんのお金が集まってきます。
その集まってきたお金をいかに増やすか、を考えるのがこの資産運用の人たちですね。
株式に投資したり、不動産を購入したり、様々な資産運用の手段を用いて少しでも預かったお金を増やそうとします。
最近は世界各国で政策金利の引き下げが行われていますので、資産運用をする人からすると非常に難しい局面になってきているかと思います。
時にはサブプライムローンのような問題が発生すると一気に利益が吹き飛び、赤字に転落するのがこの部門の特徴です。事業の不確実性がとっても高いですね。
この部門で採用される学生さんは金融工学を勉強していたり、アクチュアリーと呼ばれる年金運用の資格を取りたい、みたいな方が多いです。
「海外事業部門」 海外拡大戦略を推進
まだまだ小さな部門ですが、海外事業部門が成長ドライバーですね。
海外の保険会社の買収、子会社の経営指導、管理などを行います。
一見カッコいいのですが、子会社の経営指導とか地道で大変なことも多いです。今後特に伸びるのはアジア圏と考えると、就活でアジアで活躍したい、と思っているような学生さんにはいいかもしれませんね。
第一生命は日本で一番大きな「生命保険の株式会社」です。なので、資金調達の容易さを生かして海外で勝負をする、という体制は整っていると思います。
面白いところですね。
「企画管理部門」 いわゆるどこの会社にもあるコーポレート部門
まさに新卒採用を担当されている人事とか、会社の予算を決める経営企画、自社の不動産を管理したりする総務、投資家とのコミュニケーションをするIRなど、会社という組織を維持するために必要な組織です。
なので、詳細は割愛しますw
あまりコーポレート部門に行きたくて第一生命に入る人はいないでしょう。
「窓販・代理店部門」 特徴的な独立した部門
この窓販・代理店部門が独立した大きな組織になっているのが第一生命の特徴です。他の生命保険会社はリーテイル部門の一部署、と位置付けられますので、第一生命がいかにこの「窓販・代理店部門」を大切にしているかがわかるでしょう。
主には、銀行の窓口で保険を販売してもらうための企画、研修をするのが仕事です。
どうやったら銀行の人が他の会社の生命保険でなく、第一生命の保険を売りたいと思うのか。たくさん売ってくれたらインセンティブあげますよ、とか。新しい保険が出たら勉強会をする、とか。
最近の生命保険は銀行窓販が大きくシェアを伸ばしていますので、この銀行窓販のチャネルに注力する、というのは非常に合理的な戦略だと思います。
【第一生命の職種、キャリア】
職種の種類
第一生命が新卒で採用する職種は以下の3通りです。就活をする皆さんはいずれかを選択します。
総合職(基幹職)
基幹経営職
ライフプロフェッショナル職
総合職のキャリア
まず、総合職ですね。正直、総合職は非常にキャリアの幅が広いので、なかなか「これ!」といったキャリアはありません。
なんでもやるから「総合」なんですよね。
幾つかのパターンはあるので、パターンを7つ程度ご覧いただきたいと思います。
総合職のキャリアのモデルケース
1 リーテイル部門一筋
2 ホールセール部門一筋
3 リーテイル保険とアンダーライティングを行ったり来たりコース
4 アンダーライティングひたすらコース
5 ひたすら資産運用コース(含む関連会社出向)
6 コーポレートスタッフと海外事業行ったり来たりコース
7 コーポレートスタッフひたすらコース
割と一般的に知られているのは「リーテイル部門ひたすらコース」で、全国の拠点をあっちこっち、というイメージですね。ここの方のイメージが強いので、生命保険会社は転勤が多い、と思われがちです。確かにここの部門の方は転勤が多いです。
ただ、総合職で入るとリーテイル部門ひたすら、というキャリアの人はそこまで多くありません。そこは基幹経営職やライフプロフェッショナル職の方が主に担当していくところだからです。
損保の総合職はまだかなり地方に転勤が多いですが、生保の総合職は割と丸の内にある本社にいる人が多かったりします。コーポレートスタッフの方はあと豊洲ですかね。
ここはイメージと少し違うところだと思います。
今後海外展開も力を入れていくでしょうから、買収した会社の経営管理など、海外で活躍する機会も増えていくでしょうね。
あと、特徴的なのは法学部の人が多めであることです。生命保険はやはり人の生き死にに関わったり、相続などにも関わります。法律的な知識がどんな仕事にも多く求められるのでしょう。
第一生命の総合職の年収モデル
日本生命(ニッセイ)の総合職の年収はかなり幅広くなりますので、以下のようなイメージですかね。あくまで、想定です。
これ実は、メガバンクや東京海上とだいたい一緒なのですが、多分これより100〜200万低い、くらいと思われます。
金融の中では三菱UFJ、SMBC、野村證券、マリンの4つが年収は高くて、総合商社にちょっと届かないくらいかと思いますね。メガバンクほどに採用人数が多くないので、出世競争はそこまで熾烈、というわけではありません。
特に総合職は150名くらいしか採用ないので、特に重宝されると思います。
ポイントは部長、副部長と呼ばれる、いわゆる経営層に近いところまで行くかどうかです。ここまでいくと生涯年収は4億は越えると思います。
だいたい同じ年代の中でも2〜3割程度くらいですかね〜部長職にまで行けるのは。
総合職の給料はみずほ銀行と同じくらいです。
第一生命は上場しているのですが、上場しているのは「第一生命ホールディングス」です。
第一生命にはグループ会社がたくさんあり、そのグループを束ねるのがこのホールディングスなのですが、ここの組織はだいたい総合職の方が中心に構成されています。なので、総合職の給料の推計はここからやるのが一番わかりやすいです。
下に参考までに他の金融大手の総合職の給料を推計しています。
東京海上 | MS&AD | SOMPO | 第一生命 | MUFG | SMFG | みずほFG | 野村HD | 大和証券グループ | |
社員数 | 706人 | 399人 | 579人 | 634人 | 2,270人 | 841人 | 1,526人 | 132人 | 619人 |
年齢 | 43.5歳 | 47.5歳 | 43.4歳 | 41.9歳 | 40.4歳 | 39.5歳 | 40.7歳 | 42.5歳 | 41.3歳 |
給与 | 1,338万 | 1,053万 | 1,152万 | 951万 | 1,062万 | 1,188万 | 987万 | 1,455万 | 1,045万 |
事務職も若干混じるので、実際には各社ともに、これに+200万円くらいはあると思います。
そうすると、順調にいってだいたい42歳、勤続20年で年収1,200万くらいでしょう。
第一生命の基幹経営職のキャリア
基幹経営職はその名の通り、リーテイル部門のマネジメントとして活躍する人です。
プルデンシャル生命などに個人保険の専門家がいて、年収数千万もらっている人がいますが、この人たちは基本プレイヤーです。営業総合職は最初プレーヤーとして活躍し、成績が出れば20代でもマネージャーになっていくようなキャリアを描きます。30歳で支社長とかもいる感じです。おそらくそれをイメージでして作れられてる職種だと思います。
営業としてプロフェッショナルになりたい人にとってはいい職種だと思います。大学別だとMARCH関関同立あたりがもっとも多いですかね〜。人数もそこまで多くないので、総合職同様内定はそれなりにしっかりとした対策が必要です。
基幹経営職は結局、成果給料なので、モデルは作りづらいです。
ですが、営業成績次第では普通の総合職を超えるような年収も可能です。
30代で1,000万は普通に狙えるかつ、学歴も総合職ほど必要にならないので、30代で1,000万くらい欲しいと思う、営業に自信のある方はチャレンジするといいと思います。
ライフプロフェッショナル職のキャリア
基本的にはこの道をプロになる、というのがキャリアの描き方かと思います。
得意先の会社に行き、食堂の端っこで立って社員を捕まえて保険を案内し売るという仕事です。
実際に僕が銀行にいた時もそうですし、外資系の企業で働いている時もそうなのですが、この方々がよく食堂とかにいらっしゃるのを見ています。
銀行にいた時に、この法人営業の方と仲良くなり、その方から1日の流れについて教えてもらいました。
結構、大変な仕事ですね。。。この人はかなり営業成績も良く、頑張ってらっしゃった方だと思います。私のいた会社の人でも、この営業の人のファン、という人が何人もいました。
ファンを作れるのは素晴らしい仕事ですよね、ただ、簡単にはファンを作れることはないので、努力の成果だと思います。
働き方は会社、支店、支社単位で異なるとは思いますので、あくまでご参考までです。
(私の会社にきていた法人営業の方の1日のスケジュール)
8:00 出社 その日のニュースなどチェック
8:30 打ち合わせ 前日の成績など
9:30 出発の準備 飴配ったりニュース配ったりするのでその準備
10:30 営業する企業に到着
11:00 スタンバイ(だいたい食堂や休憩スペースの入り口でひたすら声をかけ続ける)
14:00 営業終了、お昼
15:00 個人のお客さんの商談1件〜2件
16:30 荷物をまとめて帰社
17:30 お客さん向けの提案書をカスタマイズ
18:30 資料、ニュース作成
19:30 新商品の勉強など
20:00 帰社
当時よりも残業なんかは厳しく言われているようなので、今は少し違っているかもしれませんけどね。
【Vorkers(Openwork)の比較】
さて、今まで私の言いたい放題やってきましたが、第三者の意見もちゃんと聞けるようVorkersで比較しましょう。
Vorkersはご存知、現役社員や退職した人が、その会社を評価する、いわば「会社の食べログ」ですね。
なかなかに興味深い結果が見えてきます。
(サービス名がOpenworkに変わっているのですが、僕のこの「Vorkers」という名前が好きだったので、Vorkersのままいきたいと思いますw なんで名前変わってしまったのだろう、、、)
・Vorkersで大手生保の比較
大手生保を並べると以下のようなイメージです。。
第一生命自体は「悪くない」くらいの評価です。
・社員の相互尊重が他の生保会社より高い
・人事評価への適性感が他の生保会社より高い
という2つ特徴的かなと思います。そういう意味では職場の人間関係の雰囲気はよさそうですね。
生保業界全体として見たときにとても残念なのは
・全体としての評価が他の金融の業界と比べて低い
・法令順守の意識、という項目が他の金融業界と比べて低い
ということです。
金融の中でもとても安定的なのが生命保険業界です。ゆえに、コンプライアンスに対する意識や、そのための改革などが他の金融業界に比べて遅いのでしょうね。ここは少し残念です。
同様に他の金融機関との比較
日系の金融機関を見ていきます。
(メガバンク)
三井住友がハードなイメージありますがトップですね。
三井住友銀行 3.65
三菱UFJ銀行 3.31
みずほ銀行 3.21
(証券)
証券は学生からあまり人気はないですが、実は社員の満足度はそれなりに高いようです。
・野村證券 3.94
・大和証券 3.73
・SMBC日興証券 3.31
【OBOGの活躍】
第一生命のOBOGは、、、あまり思い浮かばないですね。。。
日本生命はすぐに出口さんや森さんが思い浮かぶのですが。
基本的に長く勤める会社なんだと思います。あまり外に出て行くような感じでもない。
第一生命の人のもっといろんな人の経歴を見るには、ビズリーチキャンパスで見るといいかと思います。
【採用の状況】
さて、少しずつ話を採用にしていきましょう。
毎年の採用数が非常に分かりづらいです。
以下は日本生命のホームページに掲載のある、年別の採用数です。
TOTAL | 総合職 | 営業総合職 | エリア総合職 | 法人職域FC | |
2014年 | 789 | 145 | 47 | 65 | 532 |
2015年 | 779 | 146 | 64 | 73 | 496 |
2016年 | 870 | 161 | 66 | 75 | 568 |
2017年 | 806 | 163 | 65 | 72 | 506 |
2018年 | 847 | 158 | 103 | 72 | 514 |
実際は職種別に別れて掲載をされているのですが、まぁとてもわかりやすいですよね。
一方で第一生命が外に出している採用数は
基幹職グローバルコース 128名
基幹職エリアコース 108名
だけなのです。
実際はライフプロフェッショナルが日本生命で行くところの法人職域FCみたいなもので、採用数はものすごい多いはずです。辞退率も高い、離職率も高いこの職種の採用数を表に出さないあたりは、企業としての誠実さを疑わざるをえないと個人的には思っています。嫌なものには蓋をする文化、とも言えそうな。
総合職の大学別内定難易度
これ、出すべきなのかすごい悩みましたが、まぁわかりやすいので出してみます。
どっかから怒られたら引っ込めます。。。
ざっくりなので、そこまで当てにしないでください。でも、多分こんな感じ。
(総合職の大学別内定難易度)
日本生命みたいなゴリゴリリクルーターでもないので、内定辞退率が高くなります。
そうすると結局辞退率高い=内定数多い=簡単に受かりやすい、という構図が出てきます。
早慶くらいでも十分に戦えますね。
MARCH関関同立は頑張ったら内定まで行けます。
【選考の状況】
(総合職)
3月 ES提出、ウェブテスト、説明会複数参加
4月 選考スタート
5月 人事面接、内々定(5月中旬くらい)
6月 1日〜3日くらいまで拘束も
第一生命の採用の競合はもちろん日本生命、マリン、三井住友海上、損保ジャパン、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など、かなり競合が強いです。他で内定が出てしまえばまず持って行かれてしまうので、なんとか先に内定を出すしかないですね。
前に採用をやっていた時に、普通の学生さんが「第一生命の役員と面談をして、3年後にMBA留学を約束されたから第一生命に行きたいと思います」と行ってきたことがありました。
学生さんの当時の評価としてはそこまで高いわけでもなく、「第一生命に行きたいのでなく、MBA留学に行きたい」だけなので、全力で引き止め、他のメガバンクに行かせました。
学生はまだ何も社会のことがわからないわけです。そして会社側もまた、その学生が3年後にどうなっているのか、なんてわかりっこありません。なのに、「君は将来うちの会社のエースだ!」みたいな口説き方をして内定を出し囲いに行く第一生命、、、相当採用に困ってるんだなと思いました。
僕のいた銀行ではその学生を採用するかどうかギリギリの状況だったので、そのような浅はかな決断をしようとしたことを鑑み、内定出しは見送りました。ただ、第一生命に行ってもあまり良い人生にならないだろうから、別の銀行にしなさい、と言って別の銀行に行かせました。
第一生命自体は別に良い会社なのですが、なぜか採用現場ではこんな混乱が起こっているんですよね。まぁ、きつそうですよね。。。
ES、ウェブテスト
→重要なのはウェブテストです。
ESは面接に進んだ際に必要となるもので、書類選考ではあまり関係ありません。なので、無駄に文字数ぴったりにするとかはしなくていいです。
9割くらいは書きましょう。あと聴いてほしいことを書きましょう。
ウェブテスト
→ベーシックなSPIだと思います。
SPIは学歴と高い相関関係があります。
東大は偏差値50以上が9割を超えますが、日大はちょうど半分くらいです。
銀行は取らないといけない資格が多いですし、守らなければならない約束、規定も果てしなくたくさんあります。「勉強して頭に入る」というのはとても重要なことです。
結局、先ほど出てきた、「それなりの大学の人しか受けてくれない」ことと、「上位大ほどにES合格率が高い」という2つの事象を持って、選考を進み採用されるのが上位の大学に偏ってしまうのです。
面接
金融機関の面接なので、そんなに変化球な面接はありません。
自分の過去をわかりやすく話せること、力を入れたことを話せることなど。
自己分析、企業分析をしっかりとやり、自分の方向性と企業の方向性が合っている、ということをよく確認しましょう。
インターン組
インターン組はとてもインターンの中での動きを見られ、すでに評価が決まっています。
面接でよっぽどのヘマをしない限りは評価はインターンで決まっていると考えていいでしょう。
逆に、インターンで評価をされないといかに面接で頑張ろうと結果は変わらないので気をつけて下さい。
【第一生命に採用されるのはどういう人?】
さて、「第一生命らしい」人とはどのような人なのでしょうか?
つまるところ、どんな人が受けると採用されやすいのか。
以下のキーワードに自分が当てはまるかを考えてみてください。
・優等生タイプ、学級委員タイプ
・真面目、実直
・正論が言える
・コミュニケーションに自信がある
・王道タイプ
・主将タイプ
・体育会である
・自分に自信がある
自分のタイプは以下のサイトの自己分析ツールを使って確認しましょう。
僕もいろいろと試してみましたが、リクナビとかマイナビよりも自己分析をするにはこの2つの方がいい感じです。
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【ライフプロフェッショナル職は合格率5割!?】
ぶっちゃけライフプロフェッショナル職は相当受かりやすいです。2000名受けて1000名受かって300名入社、みたいなイメージではないでしょうか。つまり、半分受かりますね。
受かる人は日東駒専の女性や女子大の女性が多いです。日本女子大、東京女子大、聖心女子など。数十人規模で採用されていきます。ANA、JALのCAさんの抑えとして受ける人も多いですね。内定は出やすいので。
企業側も採用するの大変なのがわかっているので、とても丁寧に接してくれると思います。
選考が総合職より後ろ、6月入る前後くらいから始まりますので、少しやきもきするかもしれませんが、受ければ受かりやすいので、頑張りましょう。
以上、第一生命を紐解いてきました。就活で使える話題も多いかと思います。こちらと同じように企業、業界、選考の特徴などを整理してみるといいと思います。
頑張ってくださいね。