元メガバンク人事の就活攻略〜伊藤忠商事〜受ける前から合否がわかりやすい

元メガバンク人事の就活攻略〜伊藤忠商事〜受ける前から合否がわかりやすい

毎年「総合商社第一志望、メガバンクが第二志望です」学生が大量発生します。伊藤忠商事は業績で2番手になった、勢いのある会社です。選考は割と勢いや経験値で決まるので、受かる受からないが事前にわかりやすいです。伊藤忠への最短内定ルートをお伝えします。

 

【会社概要】

ヒト

●経営理念

Committed to Global Good 豊かさを担う責任

 

伊藤忠グループは個人と社会を大切にし、未来に向かって豊かさを担う責任を果たしていきます

 

 

とても特徴的なのは「責任」という言葉ですね。こんなに短いフレーズに2回もこの言葉が出てくる、というのは、大切にしている言葉だからです。

 

なぜ「責任」なのか。是非皆さんも自分なりの解釈を持ってください。

 

就活エピソードで「責任感を感じたこと」なんかが出てくればリンクさせて話しやすいはずです。

 

個人的には、なんとなくですが、「責任」はプレッシャーを伴います。自分自身に使命を課し、駆り立てる衝動を起こし、一気に事業を推進する、そんな体育会気質な空気が感じられるところです。

 

伊藤忠に体育会系が集まるのではなく、「伊藤忠」という会社自体が体育会でありたいと願っている、そんな風に見て取れるんですよね。

 

こうした特徴的な経営理念は社員に浸透させやすいので素晴らしいと思います。

 

●大切な文化

伊藤忠商事が大切にしているのが以下の5つの価値観です。

書いてある内容自体は正直他の商社さんとあまり変わりませんが、順番は特徴的です。

「先見性 Visionary」

「誠実 Integrity」

「多様性 Diversity」

「情熱 Passion」

「挑戦 Challenge」

一番最初に来るのは「先見性」なんですね。

例えば三菱商事であれば最初に来るのは「所期奉公(しょきほうこう)」、つまり挑戦、貢献のようなものです。

物産であれば「Fairである事」、つまり誠実ですね。

 

伊藤忠は先見性です

 

これは他の商社以上に

「事業ドメインを的確に見極める」

事を重要視していると言えます。

 

逆に言うと、「ある程度どんなビジネスでも成功する突破力はある。だからこそ、どの市場で勝負するかが重要である」と言っているようにも思えます。

 

これって、すごい繊細なことで、単に体育会なわけではないんですよね。ガーッと勢いでビジネスをグロースさせるイメージのある伊藤忠ですが、実はその前に、「どの分野なら勝てるのか」を緻密に計算している、というのが伺えます。

 

後で出てきますが、本当に多分野でしっかりとした業績を残しています。

 

●社員数

連結 102,086人

単体 4,285人

 

連結の社員数は総合商社の中で最も多く、10万人を超えています。

そのうち、食料が3万人、住生活が1.7万人、情報金融で1.5万人です。

店舗を持つ業態が多いため、社員数は多くなりますね。

ファミリーマート、やユニー、ドコモショップなどを運営しています。

 

●平均勤続年数

平均年齢 41.6才 平均勤続年数17.3年

うん、これも他の総合商社と大差ありません。新卒で入ってそのまま勤め上げるパターンで、中途入社が少ないです。

 

  • 平均給与

平均給与は1,461万円です。

 

これは一般職も含んだ数字だと思います。

総合職と一般職の比率は採用では3:1で総合職が多いですね。

一般職は退職率も高いですから、全従業員中の総合職、一般職比率を6:1と仮定、仮に総合職が一般職の給料の2倍程度と仮定をすると、、、

 

 総合職の平均給料は42歳で1,573万円

 一般職の平均給料は42歳で787万円

 

三菱商事>伊藤忠商事>三井物産

 

になります。まぁ物産とあまり大差はないようです。

 

Vorkers 点数と特徴

Vorkersは実際に働く社員や退職者からのその会社の評価です。

伊藤忠商事 三菱商事 三井物産 住友商事 丸紅 双日 豊田通商
総合点数 4.46 4.33 4.24 3.96 3.96 3.90 3.70
待遇面の満足度 4.70 4.80 4.70 4.80 4.70 4.30 4.10
社員の士気 4.30 4.10 3.90 3.30 3.40 3.60 3.00
風通しの良さ 4.00 3.20 4.00 3.50 3.60 3.60 3.50
社員の相互尊重 3.90 4.30 4.10 4.00 3.80 3.50 3.90
20代成長環境 4.30 4.00 4.10 3.90 4.00 3.90 3.50
人材の長期育成 3.90 4.10 3.70 3.30 3.10 3.40 2.90
法令遵守意識 3.70 5.00 4.80 4.90 4.20 4.40 4.70
人事評価の適正感 3.90 3.50 2.90 2.80 3.40 2.90 2.80

 

伊藤忠の特徴は

「社員の士気」

「20代成長環境」

「人事評価の適正感」

の3つが総合商社の中でトップです。

 

日本企業はこの「人事評価の適正感」を上げづらいんですよね。なぜなら、終身雇用を前提とする人事制度を組むと、「誰を偉くするのか」を考えなければならず、どうしても相対評価になってしまうからです。

 

自分の努力実感と関係のないところで評価が決まってしまうので、納得感を持ちづらいんですよね。

 

伊藤忠の人事制度、気になりますね。

 

●主な卒業生

伊藤忠商事は総合商社の中でも卒業生の活躍が目立つ会社です。

 

中国大使館日本大使 丹羽宇一郎(伊藤忠商事では代表取締役社長)

リヴァンプ創業者 現ファミリーマート社長 澤田貴司

 

一般企業の社長が大使館の大使を務めるなんてあまり聞いたことありませんよね?それほど伊藤忠というのは中国ビジネスにおいて高いプレゼンスを誇っていたわけです。

 

澤田さんも時代を代表する名経営者の一人ですが、現在は伊藤忠グループ会社のファミリーマートの社長を務めています。

 

一回出て、形はいずれにせよまた戻ってきている、というのは面白いですよね。

 

モノ

▼主要な7事業

【繊維カンパニー】

主な事業の内容は

「素材・服飾資材・アパレル」

「繊維商材」

「ブランドビジネス」

です。基本的に商社なので原材料の輸出入かと思いますが、伊藤忠の繊維はブランドビジネス展開までしているのが特徴的です。

 

皆さんも聞いたことのあるブランド、例えば

LeSportsacやPaul Smith、FILAなどは伊藤忠が経営権を持ったり国内での独占取り扱いをして展開しているブランドです。

 

最近は利益が伸び悩んでいるところになりますので、これからが踏ん張りどころです。

 

ちなみに、岡藤会長もこの繊維カンパニー出身の剛腕社長として有名ですね。

 

【機械カンパニー】

プラント・電力(水、インフラ、再生可能エネルギー、石油化学)

船舶・航空機(新造船、中古船仲介、船舶保有、民間航空機、航空機リース)

自動車(乗用車、商用車の販売)

建機・産業機械・医療機器

と、機械カンパニーめちゃめちゃ取り扱う業界が広いです。

拠点もアメリカ、南米、欧州、豪州、アジア、アフリカと世界中に広がってます。

 

わかりやすいところでは自動車の販売ですね。いすず自動車販売があったり、ベンツなどを販売するヤナセも伊藤忠グループです。

 

この中で一番大きい、利益率が高いのは自動車ですね。

 

最近の案件ではセルビアで産業廃棄物処理発電なんかも手掛けているようです。こんな案件どうやって引っ張ってくるんですかね。素晴らしいネットワークだと思います。

 

 

【金属カンパニー】

金属・鉱物資源開発から鉄鋼・日鉄製品トレードまでの幅広いバリューチェーンの中でビジネスを手がけています。

金属・鉱物資源開発(鉄鉱石、石炭など)

原料、燃料、製品トレード(鉄鉱石、石炭、アルミ、ウラン、非鉄金属)

伊藤忠の金属カンパニーはオーストラリアの案件が非常に多いです。

純利益の半分以上を稼ぎ出すのがオーストラリアの子会社になってます。

あとはカナダ、南米、南アフリカに少しずつ、という感じですね。

オーストラリアの鉱山はもう50年も採掘を続けている、キャッシュを産んでくれる優良資産です。

 

 

 

【エネルギー・化学品カンパニー】

エネルギー開発、トレード(原油、石油製品、LPG、LNG、電力)

化学品事業・トレード(石化基礎製品、硫黄、肥料、医薬品、合成樹脂)

 

金属がオーストラリアというスターを持っているのに対し、エネルギーは世界に散らばってます。イギリス(北海)、ロシア(サハリン)、オマーン、クウェート、イラク、インド、シンガポールなど。

 

実はエネルギーよりも化学品の方が稼ぎが大きいです。

 

三菱商事、三井物産はエネルギーの部門が独立しているのに対して、伊藤忠は化学品と一緒になっていることから伊藤忠のエネルギーは若干この2社より劣る、ということです。

 

伊藤忠は総合商社の中でもエネルギーへの依存度が低いと有名ですので。

 

エネルギーはどうしても世界の石油メジャーが強く、日本の総合商社はマイナー投資くらいしかさせてもらえません。

ちょっと面白くないかもしれません。

 

【食料カンパニー】

食品分野は正直に言うと

1位 三菱食品

2位 丸紅+国分連合

3位 日本アクセス(伊藤忠)

でしょうね。

 

丸紅と国分が連合なので単体の会社ではないため日本アクセスが2位、と伊藤忠の紹介には書いてあります。3位です。。。

 

伊藤忠の食料品といえば、やはいDoleブランドですよね。

日本だけでなく、米国をはじめ世界で愛されているブランドです。

 

あとはユニー、ファミリーマートの最終消費者に商品を届けるところもやってます。

ファミリーマートはだいぶ大きくなりましたね。ローソンを抜いて業界2位まで来ました。

 

【住生活カンパニー】

木材、建材、紙、パルプ、天然ゴム、タイヤ、住宅、物流施設、物流

などなどです。

実は紙、パルプが結構事業規模大きいんですね。知りませんでした。

 

ちなみにパルプというのは紙の基になる繊維をぐるぐるガチガチに固めて輸入するものです。

伊藤忠ロジや伊藤忠都市開発もここの区分ですね。

タイヤ販売もかなり大きいようです。

 

ここでの注目は物流事業、特に中国における物流ですね。

日系の企業としては中国で最も力を持っている会社です。

 

 

【情報・金融カンパニー】

情報、通信、金融、保険などですね。

伊藤忠テクノソリューションズという子会社は割と有名ですね。

あと伊藤忠の情報通信といえばスカパーです。皆さんもなじみ深いのではないでしょうか。

 

伊藤忠の金融はクレジットカードのオリコカードです。

これも割と有名ですかね。

 

正直言って伊藤忠の金融事業はそんなに強いわけではないのですが、金融事業自体が収益性の高い事業であるため、割と伊藤忠全体の中でも貢献度の高いビジネスに見えるのですが、おそらく社内でそこまで力が強い、というわけでもなさそうです。

カネ

●売上高推移

売上高はここ数年で横ばい、他の商社と変わりませんね。

この数年で資産の入れ替えを進めてきたので、あまりトップラインが伸びる、という状況ではないです。

業績

2018年は幾つかの大きな会社を連結子会社にしたため、数字が伸びています。

さすがに既存事業の成長だけでは7,000億円も売り上げを伸ばすのはしんどいですよね。

 

●当期利益推移

いかに伊藤忠が安定して事業を成長させてきているか、がよくわかります。

利益推移

2016年こそ減益ですが、他の商社が利益のほとんどがなくなっているのに対して伊藤忠だけは小幅な減益だけで済みました。

 

そして2016年を除けば綺麗に右肩上がりのトレンドになっていることが分かるかと思います。

 

●事業別実力比較

事業別

そして伊藤忠商事を語る上でとても大切なのが、

 

「スター事業の不在」

「全カンパニーが強い」

 

という点だと思います。

 

三菱商事も三井物産も、明確にずば抜けた利益額とROAを叩き出すスター事業(金属)がありました。

三井物産には事業別では赤字の事業もあったと思います。

 

しかし、伊藤忠はすべてのカンパニーが当期利益300億を超え、ROA2%以上となっています。

 

ここまで全ての産業で安定的な成果を出すのは通常難しいことです。

これが実現できるということは慎重な事業セグメント選びと、その場でビジネスをグロースさせる事業執行力の高さが伺えます。

 

総合商社に就職する時に大きなネックになることの一つが

「希望のカンパニーに行くことができるか」

「一つのカンパニーに入るとずっとそのカンパニーでキャリアを積む」

という、いわゆる配属リスクだと思います。

 

それが、伊藤忠であれば確かに「希望のカンパニー」に行くことはできないかもしれませんが、どのカンパニーに行っても実力をつけることができる、ということだと思います。

 

採用攻略

内定数

内定数は以下の通りです。

2015年

2016年 2017年

2018年

総合職男性

107

116 124

121

総合職女性

14

12 17

22

(総合職のうち女性比率)

12%

9% 12%

15%

一般職

14

12 12

7

 

三菱商事、三井物産と比較すると、分かりやすく女性の採用が少ないですよね。だいたい商事も物産も総合職のうち20〜30%が女性でしたが、伊藤忠は10%前後という状況です。

 

事務職の採用も少ないので、伊藤忠に受かる女性等のは本当に限られた人なんですね。

 

一般職狙いの女性はあまり伊藤忠にこだわると厳しいかもしれません。

 

大学別の就活難易度

大学別の就職難易度です。

大学別

三菱商事、三井物産よりも、全体としては内定取りやすいです。

 

昔からそうなのですが、伊藤忠商事の採用のタイミングは「商事、物産よりも先に内定を出す」というスケジュールでやってきます。

 

なので、先に内定出す分、辞退を見込んで少し多めに内定を出すので、内定数自体が若干多めになります。

 

しかし、入りやすいのは一部のトップ校の話で、残念ながらそれ以外は関係ありません。

 

三菱商事や三井物産よりも採用数全体が少ないので、難関であることに変わりはありませんね。

 

選考のフローと内容

ES

過去のES出題例は、以下のとおり。

割と短めで書かせることが多いですね。

短いと正直よくわからないので、やはりこれも書類選考時点では選考に関係ない、と思った方がいいです。

面接で話をするためのネタの収集ですね。

 

「あなたの一番の挑戦は何ですか。」

「あなたの一番の失敗は何ですか。」

「自分の好きな点は何ですか。」

「自分の嫌いな点は何ですか。」

「あなたのこだわりを教えて下さい。」

「あなたの誰にも負けないものを教えて下さい。」

「やりがいを感じるときはどのような時ですか。」

「日頃継続して行っている習慣を教えて下さい。」

「あなたの人生の目標を教えて下さい。」

「あなたは周囲から何と言われることが多いですか。」

「商社を志望する理由を教えて下さい。」

「伊藤忠商事を志望する理由を教えて下さい。」

ESの内容で悩むよりも、SPI、玉手箱、GAB値をしっかりと対策してくことが書類選考合格の近道です。

 

面接

面接は基本的に3回ですね。

地方だとグループ面接などなく、個別面接3回のこともあるようです。

東京だとグループ面接と個別面接があります。面接時間はだいたい30〜40分くらいです。

 

面接は割とスタンダートなので、自己分析と企業分析をしてプレゼン練習を少ししたらそれ以上できることはありません。

 

面接はポテンシャル重視です。

三菱商事の方が実績主義、物産と伊藤忠はキャラとポテンシャル重視、住商ははチームワーク重視、みたいな特徴があります。

 

受かる学生の傾向

1 ポテンシャル重視、堂々としたイケメン

伊藤忠商事ですが、近年イケメンを採用しますね。男の採用が多いのに、イケメン採用してどうするんですかね。

 

あと、ふてぶてしい堂々とした人間が好きですね。

面接官から圧迫されても、物怖じせずにがっつりいきましょう!

 

2 キャラが立つ

キャラが濃いのも伊藤忠の大きな特徴ですね。

なんでみんなあんなにキャラ濃いんですかね。若干知性がなくとも、キャラで押せていける人間であれば十分勝負できます。

 

総合商社は経営人材とか言われますが、基本的には「営業」が最も重要な仕事です。相手の懐に飛び込むことや人懐っこいことなど、人間味が勝負の世界です。ここが外銀や外コンと大きく異なるところです。

 

自分のキャラが薄いな〜と思っている人は入社するとキャラの濃い人ばかりなので、伊藤忠はやめておいたほうがいいと思いますよ。。。

 

 

3 体育会

伊藤忠の場合は体育会であることの方が普通で、体育会でない人の方がマイノリティです。なので、体育会でない人は相当内定が厳しいと覚悟しましょう。

 

とある年に伊藤忠の担当が言ってたのは、「体育会比率を抑えようと思っていたら8割超が体育会になってしまった」と。

 

やっぱり伊藤忠は男性かつ体育会で採用8割の会社なんです。

 

それ以外の人はダメ元で受けるくらいでちょうどいいです。

 

 

以上、伊藤忠を見てきました。

 

伊藤忠の一般職に受かるのは至難の技なので、ここでの紹介は割愛します。

 

なんとかしようと思って何とかできるものでもないですかね。

 

体育会の人はがっつり伊藤忠攻略頑張ってください!

それ以外の人はまず総合商社だからといって本当に受けるか、を考えたほうがいいです。

女性にはお勧めしません。

 

よろしくお願いします。

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