新卒でベンチャーに就職することのメリット・デメリット

新卒でベンチャーに就職することのメリット・デメリット

「ベンチャーの方が成長できる」。こんな話をよく聞きますね。若いうちから裁量ある仕事を任せてもらえることで成長できる、ということでしょうが、現実はそんなに甘くもありません。大手金融、スタートアップベンチャーの両方で働いたからこそわかる、新卒ベンチャーのメリット、デメリットをお伝えします。

 

新卒ベンチャーは一長一短

結論から言うと、新卒でベンチャーに入るのは一長一短あり、自分のタイプに合わせて選ばないといけません。ベンチャーに向いているタイプは

  人生に楽観的であり、物事に悲観的である

  ゲームは説明書を読まずに始める

  寂しがりやではない

  勝手に物事を進めて怒られるほうだ

  何を言われてもあまり傷つかない

など、世の中からはみ出していくような人材です。枠に収まりがち、決められた範囲内で仕事をするタイプの人は新卒ベンチャーは厳しいでしょう。

サークルで新歓係だからそればっかりやっている人、無理でしょうね。

ベンチャーでインターンやったことない人、いきなり就職ベンチャーはやめといたほうがいいです。「意識高い系」というレッテルを貼られるのが嫌だったわけでしょう。はみだせないです。

 

新卒ベンチャーのメリット

若いうちから裁量のある仕事ができる

よく言われるやつですね。これは本当です。例えば外資系のIBなんかに行けば、顧客企業に一人で提案するまでに2〜3年は下働きでひたすらエクセルとの格闘をしていますが、ベンチャーであれば入社初日から顧客先に一人で行く、なんてこともありえます。

優秀な人材をすぐ横で見れる

入社前に社員さんと多くあっておけば、そこまで人数も多くないのでどんな人と働くかを事前に知ることができます。大企業では誰と働くか、何の仕事をするか、入社前はよくわかりませんが、ベンチャーではそれが事前にわかるので、自分で優秀な人材のいるベンチャーを選んで入ることができますね。ただ、「見ることができる」という点が注意点です。

変に会社に寄りかからなくなる

そもそもいつなくなるかわからない会社ですから、最初から会社に寄りかかる、という意識、マインドを持たなくなります。東芝や神戸製鋼があんなことになっている時代ですから、大企業といえど安泰ではないですよね。会社に寄りかからないマインドはこれから大切になっていきます。実際私の知っている人でも、20代前半で一度会社を清算し、失敗して再度チャレンジしている人もいます。

生き方に柔軟になる

大企業は「これをやりなさい」というのが決まるのに対し、ベンチャーだと「あれもこれも」となりがちです。逆に言うと20代からいろんな経験ができるので、何をしている時が一番楽しいか、が早くにわかります。その後の人生を考えた時に、柔軟に自分の生きる道を考えることができるようになるでしょう。

 

新卒ベンチャーのデメリット

社会人としての基礎を身につけづらい

よくも悪くもベンチャーです。ちゃんとした研修なんかはありません。自分でトライアンドエラーを繰り返しながら物事を成功に導いていくのです。なので、社会人としての基礎も自己流になりがちです。あと、遅刻が普通になったりとか、体調不良でお休みがやたら多かったりとか。大企業では考えられないことも普通に起こります。逆に、「うちは研修しっかりやります」みたいなベンチャーがあれば、「他にやることあんだろ。たいしたことない奴らだ」くらいに思って構いません。

優秀な人材は近くにいるが、教えてはもらえない

ベンチャーは生きるか死ぬかをかけて日々戦っています。優秀な人にこそ仕事は集まるので、優秀な人から教えてもらえる時間はさほど多くはありません。見て盗む必要があります。優秀な人から手取り足取り教えてもらう、ということは望まない方がいいかと思います。

早期退職が多く、逃げ癖がつきやすい

会社に寄りかからない、と裏腹なのですがベンチャーは大企業に比べると勤続年数が短いです。役員や部長レベルでも退職して次のチャレンジをしていきますので、必然的に早期退職が多くなります。「合わないからやめよう」とか、踏ん張りもせずに退職をしてしまうと、逃げ癖がついてしまう可能性があります。そうならないように、気をつけてください。

成長痛に苦しむ

これは新卒に限ったことではないですが、急成長しているベンチャーだと人が増え、顧客が増え、あれもこれもやらないといけないのにできていない、ということが多く起こります。ベンチャーの成長痛は避けては通れない道です。環境が整っていないと不安、という人には全くもってそぐわない場所になってしまいます。「まぁなんとかなるか」と楽観的になれないと厳しいですね。

最終的にどうなりたいか

「ベンチャーの方が成長できる」。結局は、どの方向に成長していくか、というベクトルの問題なんですよね。例えば楽天の三木谷さんなんかは日本興業銀行出身、大企業の中のエリート中のエリートです。サントリーの新留さんも三菱商事ですし。オプトの鉢嶺さんも森ビル出身ですね。割と大企業出身でベンチャーで成功する方々もいます。これは、大企業で会社と言うもの、社会というものの仕組みを知るからなんですね。

今、大企業への就職を考えている人は「会社によりかかろうとしていないか」と少し考えて、ベンチャーという選択肢もあるなぁ、と少し見てみるといいかと思います。

ベンチャーへの就職を考えている人は、少し立ち止まって、自分が最終的にどうなりたいか、を考え、そのロードマップを先人たちから学びましょう。

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