世界でも最高水準の戦略コンサルティングファーム、ベイン、ボスコン、マッキンゼー。一時期ボスキャリから姿を消していたが、近年またボスキャリに戻ってきました。しかし、一度離れた総合商社は戻ってきません。両者の違いを知ることで採用戦略を探ります。
ベイン、ボスコン、マッキンゼーの悩み
一時期、人事界隈では「ボスキャリには優秀な学生が来ない」ということで、ベイン、ボスコン、マッキンゼーをはじめとして、最高の人材を集める企業が出展しませんでした。
このBIG3が出展しないことで、学生からしてもボスキャリの魅力が低下、さらに「優秀な学生がいない」場となり、総合商社も離れて行きました。
しかし近年、このBIG3がボスキャリに戻ってきたのです。
彼らがボスキャリに求めるものはずばり、「女子学生」です。
一般的に、外資系の企業は日本企業とは比較にならないくらい「Diversity Incrusion」、つまり多様性の確保、社員の男女比率を気にします。
女性が少ないと、拠点のマネージャーが女性差別をしているのではないか、と、グローバルに評価が下がることもあるようです。
BIG3とて外資系企業。昨今のdiversityに対する世界的な取り組み強化の波を受け、今まで以上に男女比率を機にすることとなったのではないでしょうか。
日本国内で今起きていることは、早慶等の高学歴女子が商社やメガバンクの一般職に流れていってしまうなど、世界の最先端で戦っていく気概を持つ女性人材が少なくなっています。
求められていることは優秀な女子の採用なのに、国内にいてはその母集団が減っていく。。。であれば、海外に出ていくしかないですよね。
元々戦略コンサルティングファームは良くも悪くも、長く働くというよりも一定期間の間に死ぬほど働き、力をつけて様々な業界に旅立っていく、というキャリアを描く人が多いです。
本来的には結婚や出産を機に仕事を一定期間離れることを現実的に考える女性からすると、選択肢として非常に魅力的であるはずなのですが、それがなかなか日本国内では伝わりづらくなってしまいました。
なので、彼らは留学に行くような、自分で世界を切り開いていきたい女子学生とのより多くの接点を求めてボスキャリに戻ってきたのです。
つまり、女性はベイン、ボスコン、マッキンゼーあたりが狙い目となってきます。
総合商社はキャンパスリクルーティング一本
では、同じくボスキャリを離れた総合商社は、どこへ行ってしまったのでしょう。ここには明確に、ボスキャリに戻る必要のない理由があります。
それは、外資系コンサルティングと大きく異なり、
総合職の8〜9割は男性を採用する
からです。
一時期総合商社も女性総合職を増やした時がありました。それでも総合職全体の3割くらいでしょうか。しかし、現在はまた採用を減らしています。
これは、総合商社のビジネス特性によるものです。
戦略コンサルの顧客が世界有数の大企業等、先進国の大企業であるのに対し、総合商社の顧客は発展途上国の国や企業となることも多いです。
途上国の中にはまだ仕事は男がするものだ、というような考え方が残っていたり、女性がビジネスをすることでうまく推進ができなくなることや、案件を受注できないといったことが起きることがあります。
いわゆる危険地域にはやはり女性に担当いただくことができずに、屈強な男性にしかできない仕事も出てきます。
よって、ビジネスの特性として、必然的に女性採用のニーズが少ないんですね。
基本的に優秀な男性は国内の採用である程度充足できます。
海外で優秀な男性はある程度一定の大学に固まって在籍していたりもするので、ボスキャリに来なくとも、事前に接点を持ち、そこで採用を決めればあえてボストンに来る必要もない、ということです。
9〜10月に米国の大学をぐるぐる駆け巡ってるんですね。
ベイン、ボスコン、マッキンゼーがボスキャリに戻ったことで、それをめがけて世界中の優秀な学生が集まってくれば、総合商社もボスキャリに帰ってくるかもしれませんが、このようなビジネス特性の違いがあるのですぐに変化することもないでしょう。
なんだか、海外の会社の方がダイバーシティは先進的なイメージがありますが、女性の採用をしないといけない、という、逆にダイバーシティに縛りを持たせられるのが皮肉ですね。
外資系コンサルにはコンサルの、総合商社には総合商社の悩みがあるんですね。
今日はさらっとこの辺でおしまいです。
では!