一般的に、「資格があった方が就活に有利」と言われたりしますが、実際のところはそうでもありません。むしろ、「なんでこんな資格持ってるんだろう」とマイナスに取られてしまうこともあります。
勘違いされがちな、資格についてお話ししたいと思います。
資格で本当に就活有利になるのか
大学3年くらいの学生さんとお会いすると「就活は何か資格がないとダメですかね?」「金融受けるので簿記とっておこうかと思うんです」とか、いろんなお話を受けます。
正直なところを言うと「資格による」のですが、総合職の場合は相応にハードルの高い資格でないと意味がありません。特に日系企業の場合、その資格を活用して仕事をするかどうかがわからないため、資格そのものよりも「その資格を取る実力がある」ことの方が重要だからです。
一般職なら、「この資格を取ったということは、本気でうちの会社、業界を志望しているんだな」とか「この業務内容だからこの資格が活かせる、ちゃんと調べてきているな」と思うことはあります。
職種によって、持っている資格に対する印象が大きく変わりますので、今回は職種別にまとめたいと思います。
総合職の就活で有利になる資格、ならない資格
【有利になる資格】
◎司法書士
いうまでもなく、最難関の資格ですね。資格を持っていることよりも、資格に受かる実力がある、ことを評価されると思います。法科大学院に行ったりすると、通常の採用とは別枠で「司法修習生枠」での採用がある会社もあります。
◎公認会計士
こちらも最難関の資格の一つですね。金融系の企業だけでなく、メーカーなんかでもファイナンスに強い人材は求められているので、評価高いと思います。外資系は日本の企業に比べると部門のファイナンス&アナリシスを重視しますので、外資系にも強い資格と言えるかと思います。
◎国家公務員総合職
資格ではないのですが、こちらも難しい試験の合格者、ということで合格しているとまず書類選考では落ちないでしょう。ただ、試験の実施が5月とかなので、6月の採用には間に合いません。夏秋採用の時に力を発揮してくれるかと思います。
【有利にならない資格】
簿記二級
総合職なら簿記二級はいりません。例えば銀行員3年やれば簿記二級くらいは1週間くらい対策をすれば受かるようになります。
(私も銀行実務から4年離れてから受けましたが、2週間で合格しました)
簿記二級取るくらいでスクールに通ったりとかするのはもったいないです。
あと、就活対策にはなりません。
TOEIC900点以下
TOEICなら900点以下はみんな一緒です。
結局、有力な日本企業であれば会社の中に入ってから育てる文化があるので、入り口でTOEIC800点とか言われても、「苦手意識はないんだね」くらいにしかならず、英語できるね、とはならないです。
TOEFLなら81点以上、IELTSなら6.5以上くらいあると、英語できます、と言われて納得感ありますので、「英語得意です!」「頑張ったことは英語です!」というのであれば、これくらいの点数を一つの目線にしてみてください。
ファイナンシャルプランナー
この資格を持っているから、と言って就活で有利になることはありません。
むしろ「なぜこの資格を取ったのか」の動機の方が重要です。ここに納得できればプラスになりますし、納得感がなければむしろマイナスになります。
秘書検定
これは、総合職志望者が履歴書に書いてはいけないものです。
秘書検定が悪いわけではなく、この資格を取る人は一般職志望の人が多いので、この資格を持っている、というだけで「この子は総合職のマインドでない」と思われる可能性があるからです。気をつけてください。
色彩検定
面接官によって評価は分かれるかと思いますが、特に金融系の会社はこれを持っていても、という感じはします。ちょっとフワフワしたクリエイティブ系の人が取る資格、というイメージがあるので、その人のイメージが資格に引っ張られる危険性があります。
一般職の就活で有利になる資格、ならない資格
一般職の場合であれば、基本的に有利にならない資格、はありません。
あるに越したことはないのですが、上に出てきたもののうち、特にあったらいいなと思うものを以下記載します。
【有利になる資格】
簿記二級
一般職であれば簿記を持っていることは有利に働きます。2人の候補者がいて、同じくらいの評価であればまず簿記を持っている方を選ぶでしょう。金融でもメーカーでも重宝されると思います。
TOEIC730点以上
TOEIC730点は「英語が苦手でない」というメッセージ性です。600点だとちょっと弱いです。例えば2〜3か月海外留学していた、とかであれば、730点くらいあるといいかと思います。
おじさんたちよりも若い人の方がTOEIC点数は高い傾向にあるので、頑張ってください。
ファイナンシャルプランナー
銀行、証券、信託などを受けるのであれば、あればプラスになります。何より金融の仕事への本気度が伝わりますし、言葉に説得力を出すことができます。
秘書検定
マイナスにはなりませんが、プラスにもなりません。
資格より大切な事
さて、ここまで資格について見てきましたが、結局資格保有=その人のポテンシャルの確からしさ、という事なんですよね。
難関の資格であれば忍耐強さと結果を出す事の出来る人、という印象を与えます。忍耐強さと結果を出す事ができる、という事を他の事で説明できるのであればそれでも全く問題ないです。
例えば東京六大学野球でキャプテンやってました、とか、バックパッカーで1か月アジアを旅して500人友達できました、とか。厳しいと評判のインターンで最優秀賞とりました、学園祭実行委員で責任者やりました、とか。
必ずしも資格である必要はないわけですね。
あくまで「ポテンシャルの確からしさ」を示すものであり、資格はそれを示す一つの手段でしかない、ということを覚えておきましょう。