マイナビ国際派にはどんな学生が行く?
今年も6月22、23日の土日、マイナビ国際派が開催されます。ご存知マイナビが運営するイベントで、海外留学をしているような学生向けの最大の就活イベントです。
「留学したことがないと言っちゃいけないの?」と思われがちですが、あくまで「日英バイリンガルの学生のためのイベント」ということなので、留学有無は関係ありません。
タイミング的にも、国内の選考が6月中旬くらいに終わって、そこでやり残したことがある、という学生も相応にいたりします。
会場で学生と話をしていると、ざっくりですが正規留学生2割、交換留学生5割、留学経験なし3割、みたいな感じでしょうか。
東京サマーキャリアフォーラムと比べると若干正規留学生比率は低いと思います。
東京サマーキャリアフォーラムに比べると出展が安いので、東京サマーよりも参加企業数は多いと思います。
欧州や米州に交換留学に行った学生さんなんかは、ちょうど5月に留学先のテストが終わりますよね。
テストが終わって、一息ついたら日本に帰って就活。そんなタイミングで行われるのがマイナビ国際派と東京サマーキャリアフォーラムです。
マイナビ国際派 6月22、23日 @東京ビッグサイト
東京サマーキャリアフォーラム 6月29、30日 @東京ビッグサイト
一部出店が重複する企業もありますが、重なっていない企業もあるので、もし都合がつくのであれば両方いくことをお勧めします。
なぜ同じようなイベントが2週連続であるの?
マイナビがディスコのイベントをパクったからですね。
元々東京サマーキャリアフォーラムやボストンキャリアフォーラムを運営するディスコ社のほうが留学生の採用には強みを持っていましたが、マイナビが規模拡大を目的に同じようなイベントをコピーして作ったのがマイナビ国際派です。
マイナビ国際派のメリット、デメリット
マイナビ国際派はあくまで「就職イベント」なので、学生にとっては内定を取る、企業にはいい学生に内定を出す、のが目的です。この目的に沿って、メリット・デメリットをまとめます。
【メリット】
・最短2日くらいで内定が出る
・特にビッグ4(デロイト、PwC、KPMG、EY)あたりの内定が取りやすい
・証券、コンサル系は通常選考に比べて内定が取りやすい
・事前にスカイプ面接等できるので、確度の高い企業だけ受けに行ける
・6月初旬までの選考で学生の採用数が基準に達してなければ、選考がゆるくなる可能性もある
・大手企業だけでなく、力のある中堅企業も出店している。
・東京サマーキャリアフォーラムと2週続きでやってくれるので、2つ参加すれば効率がいい
【デメリット】
・最近では総合商社あたりでもあまり出ない
・出展企業は東京サマーキャリアフォーラムの方がトップ企業が多い
・受けられる企業数は多くても10社いかない程度しかない
・内定が一つも取れずに会場の隅にうずくまる学生も多数存在
・東京に家がない人は友人宅などに割と長い時間仮住まいになる
・イベント内で内定が出る企業は少なく、7月まで持ち越すケースが多い
・東京サマーに比べると中堅中小企業が多く、たくさん受けすぎると1社ごとの理解が薄くなる
これくらいでしょうか?
しっかりとメリット・デメリットを見極めた上で行く、いかないを判断しましょう。
マイナビ国際派に行くと決めたらやること
【交通手段を調べる】
マイナビ国際派に行くのであれば、3月〜4月くらいには準備を始めましょう。
場所は東京のビックサイトなのでわかりやすいですね。
東京駅からバスでもいけますし、新橋からゆりかもめ、渋谷からりんかい線など、交通手段はたくさんあります。
ちなみに、飛行機で東京入りする人は羽田便が高ければ成田でも割と近いですよ。羽田はLCCの就航がないので、LCCだと成田になるんです。
1,000円バスが成田→東京駅で出ていて、楽天トラベルとかで予約もできるので、コスパもかなりいいと思います。
電車よりも楽ですよ。
特に東京に家がない人が一番やらないといけないことは宿泊場所の確保です。
東京サマーキャリアフォーラムと両方参加する、という人は特に6月20日くらいから志望企業の内定が7月半ばまでずれ込むこともありえますので、1か月近い滞在になる可能性もありえます。ホテルに1か月もいられないと思うので、一番いいのは友人宅ですね。
友人もいない場合はシェアハウスとかを使う人が多いです。
【応募方法を調べる】
マイナビ国際派の専用のサイトから参加する企業にエントリーができるようになっています。どんな企業がエントリーするか、逐一情報をみてください。
外資系コンサルを受ける学生さんは、間違いなくビッグ4系のコンサルは出てくるので、締め切りになる前にしっかり応募しましょう。
応募は通常の選考で応募するよりも簡易なことが多いです。
これは、日本で大企業だとかなり多くの学生がエントリーしてくるのでしっかりシステムも作りこみますし、エントリーシートを重くしておかないとどうやって書類選考をしようか悩ましいのですが、こうしたイベントくらいだと多くても1,000人も受けてきません。
基本応募のための機能も限られていて、それを利用するのである程度簡易なものとなることが多いです。
大体のスケジュールでいくと
4〜5月 エントリー
6月 スカイプ面接
6月 マイナビ国際派本番(1〜2次選考まで)
7月 選考続き、内定出し
くらいのイメージのところが多いのではないでしょうか。なので、動き出しは3〜4月くらいからやっていけた方がいいです。
あと、限られたイベント日程の中で内定出しまでするので、面接は短時間になります。30分とか。
限られた時間の中で自分をアピールする方法をしっかりと準備しておいてください。
案外に、短く自分の話をまとめるのは難しいものです。
ですが、国内の選考以上に短い時間での面接となるのは仕方がないことですので、是非これはやっておいてください。
逆に、こうしたイベントではグループディスカッション等はあまりありません。やるべきは短時間面接対策だけです。やるべきことは明確なので、しっかり準備してください。
【使い回しのできる履歴書を準備する】
応募は日本よりも簡単なので、より見られるのは履歴書です。
また、会場でも履歴書を多く多用します。1枚の履歴書をひたすらプリントして使うことになりますので、必ずワードかエクセルで履歴書を作成して、使い回しできるようにしましょう。
企業との連絡はメールが多くなりますので、メールアドレスを間違えないように注意してくださいね。
また、間違えられるようなメールアドレスも避けたほうがいいです。
単に学歴だけを並べるものよりも、もう少し人となりがわかるような履歴書のほうがいいと思います。
中途採用だけであれば職務経歴書を見ればどのような仕事をしてきて、どれくらいのスキルか、がわかりやすいのですが、学生さんの場合はどんな仕事を任せるかも決まっていないですし、ましてや学歴だけでどんな学生さんなのかを把握することができません。
自分の性格や特徴、好きなことなどを補記しておくといいでしょう。
さて、英語力ですが、留学生だからといって特別に高い水準を求めるわけではありませんが、あまりに低すぎると「留学してたのになぜ?」とその人の能力自体を疑われてしまいます。
TOEIC 900点以上 TOEFLiBT 81点以上 IELTS 6.0以上
は書けるようにしましょう。
【留学先の大学レベルがわかるようにする】
日本の採用担当の人間からすると、海外の大学は非常にレベル感がわかりづらいです。
調べるのもQSランキングとかになるのですが、割と海外の大学のランキングは理系の強い大学が上位に来やすい傾向があり、正直よくわかりません。例えば、日本の大学でいうと東大、京大を始め旧帝大が上位に来やすいのですが、文系学部しかない一橋大は上位に来ません。イギリスであればケンブリッジ等は上位に来やすいですが、同じく名門のセントアンドリュース等は上位に来ないので、正直分かりづらいです。
一部の有名校(UCLAとか)であればなんとなくイメージしやすいのですが、なかなかそれ以外は、、、というのが実情です。
また、海外の大学の特徴として、大学だけでなく、学部でかなりレベルが異なる、というケースがあります。
例えばクリントン大統領が卒業したジョージタウン大学なんかはランキングとかでは上位に出てこないのですが、外交学部だけは名門、のような大学です。こんな情報は正直日本の人事採用担当では全く把握できていないわけですよね。
皆さんも自分の留学先の大学レベルをしっかりと伝えられるように準備しておいてください。
留学生の自己分析、自己PR例文
留学生の方が自己分析や自己PRをやる際に参考になる記事をいくつか書いてみました。
正規留学、短大からの編入、交換留学と、3つのタイプ別になっていますので、ぜひご覧ください。
勝ち組の日程組み:Previous Dayは基本無し
ボストンキャリアフォーラムやロンドンキャリアフォーラムは開催前日からホテルの会場などで面接を開始していきます。
これは、現地であった学生はその後も留学先に散っていってしまうので、ボストンやロンドンで内定出しまでを終えないといけない、という会社が多いため、イベントの前に実施をします。
一方、マイナビ国際派の場合は基本的に留学から帰ってきた学生さんが多く、夏休みは割と日本にいるため、イベント内で内定を出さないといけない、とはならないです。
なので、イベント終了後に本社に呼んだりして、イベント以上に実際に働く雰囲気などをしっかり作りながら学生を口説きにいく、というスタイルになります。
マイナビ国際派勝ち組のスケジューリングは以下のとおりです。
事前準備:スカイプ面接で合格し、面接の日程調整を開始
土曜日 :DAY1 1次面接3〜4社。事前にできるだけ詰めましょう。
日曜日 :DAY2 前日に一次面接を受けた会社の2次面接1〜2社、一次面接2〜3社。
中堅企業で運が良ければ内定まで出るところもあり。
翌週以降でそれぞれ面接に案内されます。基本イベント内で内定は出ない、と思ったほうがいいです。
理想的なスケジュールは上記の通りですが、みんながみんな、うまくいくとは限りませんし、やはり受けるのは6、7社くらいが限界じゃないかなと思います。
下手な鉄砲を数撃っても仕方ないので。
マイナビ国際派で受けるべき会社
これは、間違いなくBIG4系のコンサル会社です。
BIG4とは、デロイトトーマツ、PwC、KPMG、EYの4つです。
「外資系コンサルティング」というと、敷居が高く感じますよね?しかし、そんなに身構えることはありません。
マイナビ国際派では割と内定が取りやすいのと、入社後も間違いなく社会人としての力がつく、という意味では
・まだやりたいことが明確に決まっていない
・自分で生きていく力をつけたい
・ぼんやりと、将来はグローバルに働きたいと思っている
・かっこいい会社に行きたい
くらいのホンネの人でも、受けている人はたくさんいます。
・監査法人系であるが、特別な資格は不要
・近年は人手不足で中途市場でもひたすら採用しまくっている
・英語がある程度できないと仕事にならないので、英語に苦手意識のない人でないと採用できない
と、いう、採用担当者からすると泣きたくなるような、「母集団は少ないけど採らないといけない」という環境です。新卒でそんなスペックの人そんないないでしょ、と。
そこに対して「日英バイリンガルのイベント」であるマイナビ国際派が来ると、
「ここで採用しなくていつ採用するんだ!」
とばりに何十人と内定を出しまくるわけです。
外資系コンサルはそもそも人気もあるので、応募者数も多いですから、倍率としてはそれなりに高くなるかもしれませんが、興味のある人は挑戦してみてください。
BIG4以外でいくと、数は少ないですが、日経の金融機関が内定取りやすいと思います。特に証券系。正直国内では証券はそこまで人気がありませんが、力をつけるには非常にいい会社だと思います。将来的にベンチャー企業に行くような方もいますし、メリカリの小泉社長なんかも大和証券の出身ですね。
海外の方が自分のキャリアのステップアップのために、コース別採用を好む傾向があるので、証券会社も海外での採用に非常に積極的です。
SMBC日興証券あたりはボストンのイベントとロンドンのイベントでかなりの数の内定を出しますし、国内の留学生ベントでもそれなりに行きます。大和証券のIBもおそらくかなり出します。逆に野村證券はそんなに聞いたことないですね。
あとは是非中堅メーカーを受けてみてください。日本には本当にたくさん優れた中堅メーカーがたくさんあり、「名前は知らないけど世界で一番」みたいな会社がたくさんあります。マイナビ国際派に来ているような中堅どころの会社は、そのような会社が多く、企業ブランドさえ気にしなければ質実しっかりとした企業が多く参加しています。
留学生向けのイベントは企業側も日本で採用するのに比べてかなりコストがかかります。そうまでしてでも英語人材を採用したい、と思っている中堅企業は、中堅の中でも本気でグローバルで勝負している、もしくはしようとしている、ということでしょう。
ただ、マイナビ国際派は他の留学生イベントに比べると中堅中小企業の数が非常に多いです。なのでたくさん受けてしまうと情報に溺れて、その会社がよくわからないままに選考を進まないといけなくなりますので、受けすぎには注意しましょう。
ボスキャリ前に内定とっとこう
大学4年生の方は「ボスキャリで一発逆転!」と思っていると痛い目にあいます。
前に書いた通り、
・選考進められる企業数が限定的であること
・基本大手企業が多いため、なんだかんだ倍率は相応に高いこと
・短期集中なのでも体力を使い、本来の力を発揮しづらいこと
を考えると、難易度は日本での就活に比べれば低いものの、それでもそれなりに難関であることは変わりません。日本でやってダメだったけどボストンなら、、、というのは甘いです。
海外の正規留学生でも、ボストンが初めての就活だと緊張や「慣れ」の不足でうまくいかないことも多いでしょう。ある程度、しっかりと他のところで準備をしてきて、ボストンは「準備してきたものが勝つ、優良内定の刈り取り場」くらいに思っておいたほうがいいです。
皆さんも、会場の隅っこで小さく体操座りをしてパソコン叩いている、そんな負け組学生になりたくないですよね。
東京サマーキャリアフォーラムとマイナビ国際派はボストンとほぼ同じようなイベントです。
会場の空気感や当日の動き方など、わかりやすい練習になります。
留学生の方は「ボスキャリ行かないと就活終われない」という人も多いのですが、ボスキャリの準備をしっかりやるためにも、東京サマーキャリアフォーラム、マイナビ国際派のイベントを活用しましょう。
walkinと事前応募、どちらが内定取りやすい?
会場を歩いていると「walkin受付中!」と書いてある企業を多く見つけます。これは、企業ブースで会社説明会をやったり、パンフレットを置いていて、「気になったらその場で選考に応募する」ことが出来るものです。
国内の会社説明会ではなかなか見られない景色なので、海外のイベント感が出ますよね。
流れとしては以下のとおりです。
1 会社説明会や社員と話をして興味を持つ
2 興味を持ったら履歴書をwalkin boxに入れていく
3 企業は選考を受けて欲しい学生に連絡し、日時、場所を指定する
その場でトントンと話が進んでいくケースもあります。
企業目線で言います。Walkinで内定を出すのはほんの一握りです。
なぜかというと、皆さんと企業の間に信頼関係を作るのが短時間では極めて難しいので、内定辞退率が高くなります。人気のある企業であれば、事前の応募の学生さんと会うためだけで十分の数が集まるので、あえてwalkinをやる理由がありません。
以前ロンドンのイベントに行った時の三井物産などは、walkinもやらず、基本事前に応募のあった学生との面接しかしていない、というスタンスでした。
学生の皆さんも、walkinに頼らず、必ず事前応募をしっかりとするようにしてください。事前応募8割、walkin2割とか、それくらいのイメージで大丈夫です。
カレッジから編入した方へ
日本だと青山短大卒後、青山学院大学の3年生へ編入ができたり、創価も同様の制度がありますね。米国でも同様にUCLA等で編入の制度があります。
日本の高校を卒業して半年準備、英語力向上のために2年間向こうのカレッジで勉強した後にUCLAの3年生から編入、というケースもあるかと思います。
非常にチャレンジ精神のある、素晴らしい取り組みだと思います。面接の度にその行動力と勇気に感心してしまいます。
しかし、選考は別です。
まず、「チャレンジ精神旺盛である」は「通常のレールを外れることができる人」として見られることもあります。まだまだ正規留学を選ぶ学生は少数です。面接官によってはチャレンジ精神と見てくれますが、そうでない場合ももちろんある、これはどのような面接官と出会うかの運でしかありません。
「通常のレールを外れることができる人」は「退職率が高い」傾向にあることはどの会社も経験値として持っている事実です。
まだ日本の会社は「長く働いて貢献してくれる人」を求めがちですから、こうした流れが不利に働くこともあります。
また、カレッジから4年制大学に編入する、というと、先に申し上げた日本の事例が頭をかすめます。たいていの場合、短大から4大に入ると、偏差値的に通常の受験をした人に比べて劣りがちになります。
同じようにカレッジから4年制大学に留学した人も?と思われがちなので、そう思われないように気をつけましょう。分かりやすい、高校の偏差値を話しの中に入れておくとか。
残念ながら、日本の多くの会社は「普通であること」を一定の選考基準にしているようにも思います。それは「長く活躍して貢献してくれる人材が良い人材である」という概念があり、採用云々よりは日本社会全体としてのフィロソフィの問題かと思います。そうすると、「普通」を外れたみなさんは、いかに自分の独自性を出しつつも普遍性を出していくか、というのが重要になります。
「ここだけは物凄いチャレンジした。でもその他は普通の友達と変わらない」というようなことですね。
逆にこれが嫌な人もいるかと思います。その場合はその会社を見切りましょう。いかに憧れの会社であったとしても、実態は外からでは見えづらいものです。「普通であること」が求められる環境に、長くいることができないかもしれません。入り口で見切っておくことが、就活を楽にしてくれます。
以上になります。少しは参考になりましたでしょうか?
会計系のコンサル会社の企業分析を公開しますので是非ご覧ください!
(デロイトトーマツ)
https://syukatsunohonne.com/2018/10/26/post-644/?amp=1
(EY)
https://syukatsunohonne.com/2018/10/28/post-660/?amp=1
(PwC)
https://syukatsunohonne.com/2018/10/30/post-665/?amp=1
ちなみに、ボスキャリもいくよ!という方はこちらをご覧ください〜
別の留学生の方向けのイベントの攻略法も記載しておきますね。
是非、多くの方がマイナビ国際派で成功を摘み取り、いい旅になることを祈っています。