さて、ここでは「就活戦術」「就活戦略」の両方における自己分析のやり方をお伝えしていきたいと思います。
「就活戦術」は大学3、4年生向け
「就活戦略」は大学1、2年生向け
です。
この2つは似ているように思えますが、根本的に「次のアクション」と「かけられる時間」が異なりますので、やり方は異なります。
このページは網羅的に必要と思われる情報をすべて詰め込みますので、読むのに10分ほどかかります。
サイドバーに「自己分析」のカテゴリーがありまして、そちらにこの記事を分解したり、新しい記事を少しずつ掲載していきます。是非そちらもみてくださいね。
なぜ自己分析が大切なのか
自己分析のできている人、できていない人
私は「自己分析」というカテゴリーを設けるくらい、大学生活において自己分析が大切だと思っています。なぜ自己分析が重要なのか。
以下の2つのストーリーをご覧ください。これは、皆さんの身近な採用面接のやりとりの一部です。
【自己分析の出来ていない採用面接】
私
「本日はお越しいただきありがとうございます。早速ですが、本日は伺いたいポイントは1つだけです。今現在、何を最も大切にして会社選びをしていますか?その理由を含めて教えて下さい」
学生A
「はい。誰と一緒に働くか、が一番大切だと思い就活をしています。特に志望業界、というのがなく、モノに対する思い入れがありません。ただ、人一倍成長意欲が強く、自分が成長できるのは素晴らしい人に囲まれた時、だと思いますので誰と一緒に働くか、を大切にしています。」
私
「なるほど、では、当行の行員でお会い頂いて印象に残った人を3人と、なぜ印象に残ったのかを教えて下さい。」
学生A
「えと、、、まずMさんです。Mさんはプロジェクトファイナンスという大規模な融資をしていて、発電所や鉄道のプロジェクトに融資をされていました。そのような大きなプロジェクトに関わるMさんに憧れを持ちました。次はOさんです。Oさんは大学の先輩なのですが、親身になって私の将来の相談に乗ってくれました。私も社会人になったら、Oさんのように誰かに寄り添えるような、そんな人間になりたいと思います。すいません、今の所この2名しか思い浮かびません」
私
「ん?Mさんの話は『こんな仕事がしたい』という話ですよね?誰と働くか、であればMさんの人柄に惹かれたんだと思いますが、その点はいかがですか?」
学生A
「あ、すいません、、、Mさんは、そうですね。仕事の話がとても面白かったのであまりMさんのことについては聞けませんでした」
私
「ではなぜ、誰と働くか、に拘りのあるAさんから一番最初にMさんの話がでてくるのでしょうか、、、これは置いておいて、次にOさんのように誰かに寄り添えるような人間になりたいとおっしゃってましたね。今まで、ご自身が誰かのために頑張れた、この人を全力でサポートした、というご経験はどんなものがありますか?」
学生A
「どちらかというと部活で個人競技をやっていたため、誰かをサポートする、というよりサポートされる側でした。だからこそ、サポートしてくれる人への感謝の気持ちを人一倍強く持っています」
私
「うん、つまり誰かのために一生懸命頑張る、ということではないわけですね?」
学生A
「はい」
私
「ちょっと話を戻します。誰と一緒に働くかが重要、という話がありましたが、これはなぜそう思われたのですか?」
学生A
「先ほども申し上げた通り、モノに対するこだわりがなく、特に業界を絞ったりもできなかったですし、これがやりたい、という仕事もなかったんです。でも、自分が一番成長できた時というのは、本当にいい仲間に恵まれた時でした。なので、いい仲間のいる会社に入りたいと考えました。」
私
「なるほど。Aさんにとって、いい仲間、とはどのような人ですか」
学生A
「はい。お互いに遠慮することなく、意見をぶつけ合いながら切磋琢磨をしてお互いを高め合える存在だと考えております。」
私
「いい仲間と切磋琢磨して成長を実感できたエピソードを教えてください」
学生A
「そうですね、、、大学では文化祭実行員会をしていましたが、ここでもいい仲間に恵まれました。モチベーションが上がらずに大変だったこともありましたが、最終的にはみんなが一つのものを作り上げようと努力し、納得のいくものを提供することができました」
少し情けないように見えるかもしれませんが、大学4年生でもこの程度の話をする人はたくさんいます。
これは誰もが陥りがちな「自己成長君」というスタイルです。自分の具体的な体験に基づいた価値観でないので、薄いんですよね。説得力がない。
一方で、自己分析をしながら学生生活を送った人、ではどうでしょうか。
また、自己分析がしっかりできて就職した人、を見てみます。
【自己分析をしながら学生生活を過ごした人の採用面接】
私
「本日はお越しいただきありがとうございます。早速ですが、本日は伺いたいポイントは1つだけです。今現在、何を最も大切にして会社選びをしていますか?その理由を含めて教えて下さい」
学生B
「はい。誰と一緒に働くか、が一番大切だと思い就活をしています。高校時代に個人競技の部活をやっていましたが、自分が大きく成長できたのは、周りに自分を支えてくれる人のおかげです。みんなが自分を支えてくれ、私はその人への恩返しのためにも結果で恩返しをしないといけない、と本気で取り組むことができました。この経験から、何事をするにも、お互いに尊敬し合える仲間とともに物事に取り組むことが大切だと考えています。」
私
「なるほど、では、当行の行員でお会い頂いて印象に残った人を3人と、なぜ印象に残ったのかを教えて下さい。」
学生B
「はい、まずMさんです。Mさんはプロジェクトファイナンスの部署にいて発電所等への融資をされています。このプロジェクトファイナンスは、融資規模も大きいからこそ、銀行内、そして電力会社や総合商社、電線の企業や国など、本当に様々な優秀な人材と一緒に仕事を進める必要がある、と聞きました。Mさんはその部署では最若手らしいのですが、果敢にチャレンジされています。私もチャレンジ精神を持って、Mさんのように優秀な人材にもまれながら成長したいと思います。Mさんを超えたいです。
次にOさんです。Oさんは大学の先輩なのですが、私が就職活動で悩んでいる時に、本当に親身になってくれました。先ほどのMさんにも共通しているのは、御行の行員さんはどこよりも「人間臭さ」を感じます。私も泥臭く人への感謝、それに対する恩返し、という感情で努力ができる人間です。3名はあげられませんが、このお二人から自分に似たものを感じているところです」
私
「ちょっと話を戻します。誰と一緒に働くかが重要、という話がありましたが、これはなぜそう思われたのですか?」
学生B
「先ほども申し上げたのですが、元々の原体験は高校時代の部活です。支えてくれる人たちのために努力をしてきましたし、そんな仲間と一緒に成長したいと思っていました。高校は個人競技でしたので、大学ではみんなで一つのものを作り上げるチームプレーをしたいと思い、文化祭の実行委員の委員長をやりました。高校の時はあまり自分が考えずに周りに恵まれた環境でしたが、大学では様々なモチベーションの人がいるため、みんなを自分と同じ気持ちにすることは困難でした。しかし、自分が率先して泥臭く仕事をすること、自分の思いを伝え続けること、責任を背負い過ぎず、みんなに裁量を持たせることと、任せたからには失敗を受け入れる勇気を持つことの大切さを学びました。いい仲間、というのは誰かに与えられるものでなく、自ら創り出すものだ、と思えるようになりました。」
同じ質問をしているのに、全然違いますよね?みなさんだったら、どちらの学生さんを採用しますか?
実は、経験としては同じような経験をしているのですが、圧倒的に語れる内容が違います。
「人が大切」という自分の価値観を元に、その価値観を大切にしながら物事に取り組んだBさんは、Aさんよりも一歩先を行く学び、知恵を持っていますよね。
Aさんは口では「人が大切」と言いながらも「なんとなく」で物事をやってきました。なので、「なんとなくかっこいい仕事」に興味を持ち、「人が大切」という自分のストーリーを語りきることができないのです。
自己分析も「習うより慣れろ」
さて、実際のストーリーでご覧いただきましたが、自己分析の大切さは少し伝わりましたでしょうか?
自己分析は就活でなく「日常的に溶け込む」もの
とは言っても、「大学1、2年生から自己分析?」とか「やらなきゃいけないのはわかってるけど、面倒だな、、、」とか、始められない理由もたくさんありますよね。
特に就活の場面や「就活用語」としての自己分析は「さぁ自己分析するぞ!」と思い立ってやるものですが、正直何をどうやったらいいかわからないし、自己分析はゴールが見えないものなので、何からどうやっていいかがわかりづらいです。
しかし、本当の自己分析とは、「日常生活の中に溶け込ませるもの」であり、実は非常に簡単です。特に大学1、2年生は日常に取り入れることですぐにできるようになり、とても大きな成果を出すことができます。
何もやってこなかった大学3、4年生は「就活としての自己分析」をやるのですが、こちらもある一定期間をかけることで必ず成果が得られます。
ようは、自己分析も「習うより慣れろ」であり、誰でもできるようになるものなのです。
「自己分析必要ない」人の特徴は?
たまに「自己分析?そんなの必要ないよ」という人がいますよね。そうなんです。本当は必要ないんです。なぜなら、日常の中に溶け込んでいて、あえて自己分析をやっている、という感覚がないからなんです。
それくらい、自己分析というのは無意識のうちに自分でやっているものなんですよね。誰にでもできるんです。
逆に「自己分析必要ない」という人の話をそのまま額面通り受け取ってしまうと、普段やってない人でも「自分もやらなくていいんだ」と思ってしまうかもしれません。これは悲劇です。
逆に、絶対にやってはいけないことは「短期集中」です。
短期集中してしまうと、「自分はこういうものだ」という既成概念にとらわれて、正しく自分を見つめることができなくなります。
最低でも1か月は時間をとり、「そういえば、こんな時にこんなこと考えていたな」ということをふと思い出す、という経験を大切にしましょう。
ゴロゴロと寝転がりながら音楽とか聞いている時に、ふと「あの時、なんであんなことしたんだっけ?」とかを思い起こすことが大切です。
「直感」は絶対に大切にしてください。
選んだ道を正解にする
高校まではこれが正解!という答えのある問題を解いていました。
しかし自分のこと、そして自分の将来なんて全く正解がありません。
是非、DeNAという会社(野球をやる人は横浜DeNAベイスターズでお馴染みですね)の経営者、南場智子さんの著書、「不格好経営」を読んでみてください。僕が感銘を受けたことがあります。
元々マッキンゼーという世界的なコンサルティング会社で活躍をされていた南場さんですが、コンサルの仕事と経営に仕事の違いを以下のように表現されています。
「コンサルティングの仕事は顧客に『正しい道を示すこと』だった。経営者の仕事はどんな道を選んだに寄せ、『選んだ道を正しくすること』だ」
自分の人生の舵取りは自分にしかできないですよね。つまり、あなたは自分の人生の経営者です。それであれば、自分にできることは何を選択したとして「これでよかったんだ」と思えるようにすることしかないですよね。
南場さんの本、僕は大好きです。
どんなサークルを選んでも、どんなバイトを選んでも、どんなところに就職しても。自分でした選択を自分で「これでよかった」と思えるのは、どんなことができた時でしょうか?
「一生の仲間を作りたい」
「幅広くいろんな人との出会いが欲しい」
「自分が『これをやった』という証拠を残したい」
など、人によって様々な基準があると思います。
この基準を知ることが、自己分析です。
具体的にどのようにこの基準を知るのかをこれから見ていきましょう。
一人でも多くの方が、「選んだ道を正解にする」ことが出来るよう、お手伝いしていきたいと思います。
【具体的にやるべきことのまとめ】
では、自己分析をやろうと思ったとして、具体的にどのように進めていったらいいのでしょうか。ここも誰にでもできるけど分かりやすい方法を解説していきます。
何年生でも活用できる「共通編」と、「大学1、2年向け」「大学3、4年向け」に分けてお伝えしますね。
【共通編】
まず自分の好きな人、尊敬する人を探す
自分は一旦どんな人間なんだろう、、、と幅広く考えはじめても、何だかふわふわとしていてよくわかりません。物事を考える時は「Where」から始めるようにしましょう。普通「what」や「why」から入りがちなのですが、「where」からです。「どこがキモになるか」を先に当たりをつけてから始めるんです。
自己分析における「where」が「好きな人、尊敬する人」です。
なぜか。ここには自分の独自性、人との差が出やすいので、相対的に自分を考えやすいです。
初恋の人は誰でしたか?
次に好きになった人は誰ですか?
部活、バイト、サークル、学校の先生、ゼミ、留学、様々な場面で、「この人と出会ってよかった!」と思えた人は誰ですか?
など、幅広く自分が好きな人を探しましょう。
なぜその人のことを好きなのか、尊敬するのか
「where」の次が「why」です。
なぜ、その人のことを好きになったのか。何が好きでした?どんなところが好きでした?
もしくは尊敬する先輩がいたとすると、なぜその人を尊影していたのですか?どんな人柄が好きでしたか?
是非一つだけでなく、たくさん出してみてください。
なぜ他の人はその人を尊敬しないのか
次に、「why」の相対化を行います。
あなたには、その人を好きになった、尊敬した理由がありましたね。
でも、他の人はそうではないわけです。
では、他の人は感じずに、自分だけがその人に何かを感じ取ったのはなぜでしょうか?
そして、なぜ他の人はその人を尊敬しないのでしょうか?
不思議ですね。
まさにここが自分の特徴なんです。「特徴的である」とは「他の人と異なる」ということですね。
友達と違う人を好きになったことありませんか?ありますよね?すでに特徴的なんです。
正直そこまで特別なことはなく、誰でもこんな話できるのではないかなと思います。自己分析は何か特別なことをやらないといけない、と思うかもしれませんが、全然そんなことはありません。
ごく平凡な言葉でもいいんです。ただ、「自分の体験」「自分の言葉」で語ることが大切です。
自分史を書き起こす。ストーリーの主人公になる
尊敬する人が思い浮かばない、好きなったことがない、という人は是非一度自分の歴史を思い出して年表を作成してみてください。これもよくある年表でいいです。特別なことは必要ありません。
そして、一本のストーリーを作ってみてください。小説を書くイメージです。
小説って、必ずストーリーが繋がりますよね。作成するのは、0歳からです。
得てして、自分の本質というのは小さい頃に作られているものです。
小さい頃から出来事を書き連ねていきます。
特に、入学や卒業のような出来事を書きながら、特に「大きく感情を動かされたこと」を書き足していってください。どんな時に自分は感情を大きくゆさ振られたのか。よかったことでも、悪かったことで、素晴らしいこともカッコ悪かったことも。何でも結構です。
それをストーリーにします。この時にこんな感情があったから、次のこの時にこの行動をとったんだ、とか。
大切なことはぶつ切りにしないことです。ぶつ切りにしてしまうと、一つの個別の事象だけを捉えて「自分はこういうふうに考える人間なんだ」と考えてしまい、結果本当の自分から遠ざかってしまいます。
必ずストーリーが必要です。
少し話は変わりますが、
「ストーリーとしての競争戦略」という経営の本があります。
経営の本というと若干ハードルが高いのですが、ここに出てくる中で就活に活かせる教訓があります。
それは「普通に考えるとおかしい、と思えるようなことでも、実はそれが非常に重要なファクターとなって事業を成長に導いている。それは、『普通だ』と思われていることに対して、別のストーリーを描いており、知らない間にそのストーリーに魅せられている」というものです。
自分にしかないストーリーが必ず存在します。
ストーリーがなく、ブツ切れの経営戦略は必ず成功しません。自分の人生も同じです。自己分析は自分の今までのストーリーを読み返し、そのストーリーをどう展開しようかを考えるものです。
今まで紡いできたストーリーを理解することができなければ、ストーリーはブツ切れになって、面白くないものになってしまいます。
是非、この「ストーリー化する」ことに拘ってください。
「特徴がなくてどうすればいいかわからない」は大間違い
ここまで書いてお分かりだと思いますが、誰にでも自分にしかないストーリーがあります。
「自分の人生面白くない」「人と違ったことが全然ない」という内容でもいいんです。自分では違っていない、と思っているかもしれませんが、ストーリーにしてみると実は全然他の人と違ってきます。
大切にして欲しいのは、「人と違ったことがない」のではなく、「人と違うことを恐れている」だけでないか、ということです。もう一つ、「かっこ悪い自分」を認めることができていますか?ありのままの自分を認める、というのはとても勇気がいるものです。
ですが、これを避けては自己分析は成り立ちません。
嫌なこと、嫌いな自分でも正面から向き合うことが大切です。
そうすれば、自分だけのストーリーが見つかります。
さて、共通編はこの辺りにして、次は大学1、2年生向けの「就活戦略編」に行きたいと思います。
就活戦略編
行動こそが最高の武器
大学1、2年生にはまだ、自分を見つめ直し、それを行動に移せるだけの時間があります。逆に言えば、いくら考えたところで行動に移せなければ意味がありません。大学3、4年はあとでも書きますが「見せ方」、つまり表面が大切です。大学1、2年は「中身」、内面を大きく成長させることが大切です。
そのためには様々な人との出会い、本気の勝ち負け、心からの好き嫌いなど、何か没頭して打ち込むことが欠かせません。
でも、大学1、2年のうちに何に没頭したらいいのか、よくわかりませんよね。なので、
大学1、2年 → 没頭できるものを探す期間
大学2年の後半から大学3年 → 実際に没頭して経験する期間
で十分です。
もちろん、早いうちから「これだ!」と思えるものを見つけられた人はその道を突っ走ってください。
ここで大切なのは、薄く広くいろんなこと、よりも深く一つのことを掘り下げる経験が大切だということです。薄く広くやっても、自分の知恵になったり、強い感情を持つことはありませんよね。本気で何かに取り組んでいるときのほうがああでもない、こうでもないと考えるはずです。恋愛も一緒。どうせやるなら大恋愛がいいです。中途半端にやるのが一番良くない。
人生のロールモデルを探しに行く
さて、大学1、2年生が何をやろうか、と考えた時に重要なのが、自分の人生のロールモデルを探す、ということです。
就活戦略でも書きましたね。自己分析に必要なのは誰かへの憧れや尊敬といった感情です。
そして、自分自身を成長させる一番早い方法が、自分のなりたい姿が明確に見えていること、です。
いろんな社会人の中に、「この人みたいになりたい」という姿を描くことができれば、その先輩はどんな学生生活を過ごしていたのか、その中で何を感じて、どうやって今の考えを持つに至ったのか、などを知ることができます。
大学1、2年で社会人に会いに行くなんてハードル高いですね。そりゃそうです。でも強い味方ができました。
数年前にリリースされた「VISITS OB」というサービスがあるのですが、これ、すごいサービスです。大学1、2年でも登録できるので是非登録してみてください。サービス名に「OB」と入っている通り「OBOG訪問」のためのサービスなのですが、就活生でなくとも使えます。
この中で社会人とつながりを作ることができれば、そこから会いに行くことができます。
VISITSのすごいところは社会人に簡単に会いに行けるだけでなく、その人の考えや人生観が赤裸々に語られていることです。かっこいい先輩がたくさん探せます。
最初はまず社会人のプロフィールを見るだけでもいいです。どんなことを考えてその会社に入ったのか、どんな思いで働いているのか、学生時代はどんなことをしていたのか、など。たくさんのことを知ることができます。
まずは、プロフィールを見て「自分と少し似てるかも」と思える人から会いに行きましょう。
しかし、いざ会いに行く、と言っても緊張しますよね。
以下の記事に、OBOGと会う時のマナーや聞いたらいいことをまとめてありますので、是非活用してください。
正直周りに、大学1、2年のうちから社会人に会いに行く人なんていないでしょう。
しかし、これはとても重要なことです。
僕はメガバンクの人事採用担当として、社会人と学生の距離がもっと詰まればいいのに、とよく思ってました。
まさにそんな世の中にしていきたいので、是非皆さんも行動をしてみてください!
「副●●」に全力を注がない
是非自分のロールモデルを見つけていただき、自分の進むべき方向を見つけましょう。そしてその上で大切にして欲しいことは、「副●●に全力を注がない」ということです。
それは、ロールモデルになる先輩がかつて「副●●」をやっていたとしても、そこに全身全霊を傾けてはダメです。
「副●●」と副のつかないものでは、責任が大きく違います。主体性や覚悟も異なります。
僕は人事の採用面接官として千人を超える学生を面接してきましたが、本当に世の中「副●●」だらけです。
なんか、ダメな日本企業の中間管理職みたいな臭いしませんか?とりあえずポジションないから作った的な。
先ほども書きましたが、一つのことに没頭することが大切です。そのためには「副」のつく立場ではもったいないんです。それだったらまだ合宿係とかのほうがいいです。合宿というものに対して自分が全責任を負うことができるからです。とにかく、「これはやり遂げた!」と言えるものを作ることが必要です。
「採用基準」
採用基準という本があります。これは、世界的に有名なマッキンゼーという世界最強のコンサルティング会社の採用担当の人が書いた本なのですが、まぁ色々と突っ込みどころはあるのですが、究極的に一つ、間違いのない事実があります。
それは、最も大切な採用基準は「リーダーシップ」である、ということです。これは一般的に思われるような「みんなを引っ張っていくリーダー」という意味ではありません。どちらかというと「自分を将来に向かって導いていく力を持っていく」という、セルフリーダーシップに近いと思います。
正直大学3年生の夏を超えてから何かを新しく始めてリーダーシップを育てよう、と思ってももう間に合いません。なので大学3年生は「見せ方」に集中するわけです。
大学1、2年のうちはしっかりと何かに打ち込み、リーダーシップを鍛える時間があります。是非、自分がリーダーシップを必要とする環境を作り出してください。
まとめると、
人生のロールモデルのような人を見つける、会いに行く
共通編で解説した通り、自分がなぜその人に惹かれるのかを考える
リーダーシップの必要な環境を作り、その人に近づけるように没頭する
これ、最強です。
就活戦術編
さて、次に大学3、4年生向けの自己分析です。
先ほども少し書きましたが、大学3、4年生になってから、
「就活で話すことがない。。。何かやってみよう」というのは無駄です。それくらいは面接官もわかります。
それよりは自分をしっかりと理解することと、それをどう見せるのか、という2つのことに集中しましょう。
自己分析の「中身」より「見せ方」に拘る
さぁ共通編の自己分析により、自分のことをが少し見えてきたとしましょう。そうしたら、あとはそれをどう見せるか、だけです。
せっかく自分自身のことが理解できても、それを上手に相手に伝えらえなければ意味がありません。また、自己分析をしてその時点での自分に足りないものがある、不十分である、と感じたとしても、今更できることはあまりありません。ジタバタせずに、現在の自分の等身大で勝負しましょうね。
「見せ方にこだわる」と言いながらも、ここで大切なのは「しっかりと伝える」ということであり、「飾る」ことではありません。飾っていると、面接官は面接官なりに違和感を覚えるんです。それは、共通編で申し上げた通り、ストーリーが分断される感覚です。
なぜここまで「正しく伝えること」に拘るかというと、これは僕が人事の採用面接官をやっていた経験が大きいです。
皆さんは、誰かを面接したことありますか?
面接って、めっちゃ難しいんです。死ぬほど難しいです。
変な話、「僕は別の銀行でトップ営業マンでした。採用してください」なんて中途採用の人が来たらめちゃめちゃ採用楽なんです。
でも、学生さんて営業もしたことないし、完全ポテンシャル採用じゃないですか。ポテンシャルってどう図れと?と思うわけですよ。
で、実際に面接の現場で何が起きてるとかと言うと、多く面接官がこう言います。
「みんないい子なんだよね。誰を合格にして、不合格にするかなんて決められないね」
わかりますか?あなたは合否が決まってないんです。
でも合否はつきます。なぜ合否がつくのか。それは面接官の「納得度」が左右します。
「みんないい子だったけど、この子のことが一番良くわかったからこの子が合格!」
ということです。
これが採用現場で現実に起きていることなのです。
なので、あなたがやらないといけないことは
「相手に納得感を持たせること」なわけですね。だからこそ、自己分析の見せ方に拘りましょう。相手が「何を感じてくれるか」に集中するんです。
そのためには、明確なストーリーが必要です。だからこそストーリーを大切にして欲しいわけです。
期限を決めて、諦める
みなさんはストーリーを作成していくわけですが、考える時間には限界があります。自己分析はやり続ければ一生やり続けることができます。終わりがないので、自分でしっかり期限を決めないといけません。
申し上げた通り、
嫌な自分から逃げないこと
それを踏まえてストーリーラインをしっかりと作り上げること
それを正しく伝えられるようになること
これが大切です。
自己分析をすることばかりに時間をかけて「どう伝えるか」をおろそかにしてしまったら、それはただの自己満足になってしまいます。
相手にどう伝わるかまでちゃんと話すことができて初めて自己分析です。
頑張ってください!
直感だけは大切にする
ここで、とても大切なことがあります。
それは「直感は正しい」ということです。
色々とうねうね考えてストーリーを作り上げていくのですが、ある程度できたところで
「間違いではないけど、何かしっくりこないな」
と思うときがあります。それは、根本的に何かが間違っていることのサインです。
この「何となく」というのはとても重要です。
例えば、人を好きになることに理由なんてないですよね?
男性が女性に告白する時に
「あなたを好きな理由は3つあります。一つは、、、」とか理路整然と話始めたら気持ち悪くないですか?
感情や気持ちは論理も必要なのですが、それ以上に感覚的なものが大切になります。その感覚を否定してしまうと、何かが間違ったまま進んでいってしまうことになりますので注意してください。期限は確かにあります。しかし、この直感だけは無視せずに向き合ってください。
「自己分析」の伝達を他人に委ねる
さて、見せ方にこだわる、という話なのですが、具体的にどう見せたらいいのでしょうか?
実はこれはコツというか、圧倒的に簡単な方法があります。
あなたは、初めて会った目の前の人間から色々と説明されて、
「なるほど、こういう人なのか」と納得できますかね?少なくとも僕にはできませんでした。
そして、多くの面接官ができないと思います。
そんな時に面接官が頭の中ですることは「この学生に似ているうちの社員は誰だろう」と考えることです。
自分の会社で活躍している社員と似ている。
これ、一番わかりやすくないですか?
目の前にいる初めて会う人よりも、普段から接していてよくわかっている人の方が信頼できるわけです。
では、皆さんがやらないといけないことは何でしょうか?そう、答えは簡単ですね。
「御社の●●さんのようになりたい」というのが一番簡単です。
そこで自分の過去のストーリーと、その社員さんのストーリーを重ねることができれば完璧です。
自分のことは伝わらなくとも、面接官は勝手に「この子はこういう子なんだ」と言うのを理解してくれます。
自分はこういう人間なんだ、と言うのを、一番効率的に伝える方法ですね。
実はここでも、先ほどのOBOG訪問が役に立ちます。
「御社の●●さんになりたい」と言うからには、その会社の人に会ってないといけないですね。
先ほどのVISITS OBに加えて、就活フェーズになるとMatcherやBIZREACH Campusといった、いろんなツールが出てきます。是非活用してみてください。
ストーリーがあれば「志望動機」はいらない
自己分析のページにどうして「志望動機」?と思われるかもしれませんが、学生さんが大きく誤解していることがありますのでここで書いておきます。
たまに「受ける会社の志望動機が見つからない」という学生がいます。
「受けなきゃいいじゃん」といつも言います。申し訳ないですが、受けても落ちます。時間の無駄です。下手な鉄砲数撃ちゃ、程度のものです。
通常は就活で受ける会社は自分が生きてきたストーリーの延長線上にあるわけです。
そこから外れると志望動機がなくなります。
逆に人事の採用担当として面接をしていて、自己分析をしっかりできている人は志望動機なんか聞く必要がありません。なぜなら、その人の生きてきたストーリーを理解できれば、なぜこの人が自分の会社を受けに来たか、勝手にわかるからです。「なるほど、それで銀行受けに来たのね」とこっちから言う事もあります。さらに進んだ人であれば、メガバンクが3つある中で「なるほど、あなたがこういう人だからうちを選ぶんだね」と、勝手に面接官が理解できます。
できればこのレベルまで行きたいです。なぜあなたがこの会社を受けに来たか、が自分を語っただけで相手に理解されるんです。それは自分の人生のストーリーと、その会社のストーリーが繋がるからなんですね。面接官はストーリーを読むことができただけです。
「就活戦術」にも書きましたが、自己分析を制するものは就活を制する、また自分の人生を自分の手の中に入れることができるようになります。
是非、皆さんも頑張って自分と向き合ってみてください。