周りのみかんが腐っていると、綺麗なみかんも「自分も腐ってる?」と思ってしまう。就活でよくある、友人に自分の特徴を聞くシーン。少し間違うと、本当の自分の良いところを短所として認識してしまうことがあります。ちゃんとした大人に相談しましょう。
なぜ友達には「仕事の自分」の価値はわからないのか
先日お会いした学生さん、どうやら自己分析に困っているよう。
どうしても自分がどんな人間かを掴みづらいと。
腹を割ってずっと話をしていたところ、非常にユニークな考え方をし、意見もはっきり言うことができる優秀な学生さんだったのに、なぜこんなに思い悩むのだろう。。。頭いいのだから、もう少しスパッとできてもおかしくないだろうに。
ぐっと深い話に入っていったところで、ようやく理解できました。
「自分では短所と思っていないことを友人から短所と言われた」
これによって混乱してしまっていたんですね。
で、よくよく話を聞いていくと、その人の非常に素晴らしいパーソナリティであることもわかりました。
なぜこんなことが起きるのか。
学生の考える「優秀さ」と、本気仕事をした社会人の知る「優秀さ」がまったく異なるものだからです。
なので、就活の自己分析をする際に
「友達の言うことを鵜呑みにする」
ということは非常に危険なことであると言えます。
「対人力」と「対課題力」の違いを理解しよう
それでも、全く手探りで自己分析を始めるよりも、少しでも自分のことを知っている人間の力を借りたい、というのは本音でしょう。
そこで、以下の3つ分けて自己分析を深めてはいかがでしょうか。
分析する力 | 誰が分析するか | 概要 |
対自分力 | 自分 | 自分と向き合う強さ、自分をコントロールする力 |
対課題力 | 優秀なOBOG、親友 | 課題を解決する力。物事を推進する。勝ち / 負けがつく。 |
対人力 | 友達 | 人との良好な関係を築く力。好き / 嫌い。 |
混同されがちなのが「対課題力」と「対人力」ですね。
最終的にリーダーになるような人には両方が求められるのですが、今の時代誰もがリーダーになる必要がないのと、まだ学生さんであることを考えれば、いきなり両方を求めるのは難しく、会社に入ってから伸ばせるものだとも考えられます。
正直、対課題力も対人力もそこそこに高い人、というのはいるのですが、中途半端に高いと「こじんまりした人」になってしまうので注意が必要です。
「対自分力」は自分で分析するしかありません。
意志は強い方ですか?自分で作った自分との約束は果たせてますか?
計画的に勉強は進める方ですか?何か高い目標を立てて、それに向かって努力する方ですか?
こんなイメージです。
そして、ここがポイントになります。
「対課題力」は普通の友達にはわかりません。
ここを見るためには
「経験豊かで、様々な人との仕事を本気で取り組んだ社会人」
「何か一つのことを共にやりきった親友」
など、「本気で何かに取り組んだ」ことのある人からのフィードバックが大切です。
なぜなら、普段のあなたと、「何かに本気になった時にあなた」は別人だからです。
よく、仕事でスイッチの入る人、という人がいますよね。これと一緒です。
本気で仕事をしたことがない人は、結局仕事をする上でどんな能力が必要なのかを経験的に理解することができません。
つまり、あなたと話をしていても、あなたの将来活躍する原動力を見抜くことはできないのです。
なので、この「対課題力」は友達にいくら話を聞いても有効な回答を得ることができないので、聞く相手を選びましょう。
「本当の自分」を知るには2種類のOBOG訪問を使いこなす
「対課題力」を知るために必要なのは
「経験豊かで、様々な人との仕事を本気で取り組んだ社会人」
「何か一つのことを共にやりきった親友」
との本音の話し合い、ということですが、大学時代に「これをやりきった」というものがない人は社会人に頼らざるをえなくなります。
OBOG訪問というと通常受ける会社のOBOGに会うことを考えてしまいますが、実はうまく就活を進めていく人ほど、
「自分を知るためのOBOG訪問」
をうまく活用しています。
なので、
通常の「会社の特徴、人を知るためのOBOG訪問」に加え
「自分を知るためのOBOG訪問」をうまく活用することが必要です。
VISITS OBやMatcherのおかげでOBOG訪問も格段にやりやすくなりました。ゼミのOBOG会などでも結構です。
しっかりした大人とのコミュニケーションは自分を成長させる機会と思いましょう。
普通に考えたら「自分のことをよく知らない人から自分の特徴を言われてもピンとこない」と思いがちでしょう。
その分、優れた社会人は多くの優れた社会人と仕事をしてきています。
その社会人たちの特徴とあなたの特徴を重ねて、どのような点が優れていて、どのような点は足りないか、を指摘してくれることでしょう。
これは思っている以上に有意義なことが多いです。
OBOG訪問で当たり / 外れを防ぐ方法
では
「経験豊かで、様々な人との仕事を本気で取り組んだ社会人」
に出会うためにはどのようにすればいいでしょうか?
まず、VISITS OBやMatcherには若手の社会人が多いのと、特にMatcherには人材系の人が多いです。
若手や人材系は避けましょう。
若手は歳も近く話もしやすいので会いやすいでしょうが、「経験豊富」というところでは不十分です。
結局は「友達」と変わらないことしか言ってくれないでしょう。これでは意味がありません。
次に人材系ですが、多くの場合は就活エージェントの人たちです。
エージェント人はあなたをどこかの会社に紹介し、その会社で内定、入社が決まればお金を稼げる、という人たちです。
そうすると、エージェントの人たちはあなたに「気に入って継続的にコンタクトが取れる」ようになることが大切なので、学生のあなたを「おだてて」きます。
本当の自分と向き合うにはふさわしくありません。
よって、以下の条件に当てはまるような人を見つけましょう。
・社会人経験5年以上
・複数部署を経験している
・自分となんとなく似ている
・事業会社に所属している(人材系ではない)
・所属している会社は必ずしも志望する企業でなくともいい
・総合職である
ゼミのOBOGで前から知っている人ならその人のパーソナリティなど少しわかりやすいでしょう。
OBOGのアプリを使用する場合はVISITS OBとMatcherであれば、プロフィールにその人の人となりが割と書いてありますので、それを見てみるといいと思います。上記の条件に合致しているかを確認しましょう。
なお、Bizreach campusは基本的にその人のパーソナリティは書いてありませんので、
「受ける会社のことを知るためのOBOG訪問」で使うといいと思います。
うまいこと使い分けましょう。
そしてレビューや学生からのお礼コメントをちゃんと見ましょう。
レビューの中に「厳しい言葉もあった」とか「真剣に向き合ってくれた」みたいなコメントがあれば、その人は本物の社会人かもしれません。
「たくさん褒めてくれた」とかとかあったらそれは偽物(会う価値の低い)社会人の可能性が高いです。
自分でしっかりと見極めて、会うべき人に会いに行きましょう。
社会人もたくさんいるので、誰にあったらいいのか悩んでしまうかと思いますが、地道にいい人を見つけましょう。
本当にいい社会人との出会いは、それ1回で自分の人生を大きく変えるインパクトを持つ、満塁ホームランです。
それを楽しみに頑張りましょう!